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【40代から始める日本人の中国生活の記録】花を愛する中国の人々
  ·   2023-03-22  ·  ソース:北京週報
タグ: 花見;文化;中日交流
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花見の季節がやってきた。

毎年この時期になると、筆者は日本のある友人から「今年の花見、参加できる?」と誘いの連絡をもらう。むろん、北京で暮らしているので行けるわけがないのだが、それを伝えると、「でもワンチャン来れたら来てね!」とよく分からない返事をされるのが常である。

そんな彼はかれこれ10年くらい花見で幹事を務めていて、桜のつぼみが芽吹いてくる3月になると、仕事そっちのけで花見の準備に熱を入れ始める。彼いわく、そのくらい前から段取りをして、1人でも多く集まれるように日程調整をしつつ、場所取り要員のシフトも組んでいかないと、満足のいく宴にならないのだという。そのくせ彼は当日になると張り切りすぎた反動か、速攻で酔いつぶれてしまう。かつてはそんな彼の姿を見て、「花とかどうでもよくて、単に酒を飲む口実が欲しいだけではなかろうか」と思ったものだが、実際そういう方は割といるはずだ。

だが、それこそが日本の花見の醍醐味でもある。たまたま隣にいたグループと仲良くなって一緒に飲んだり、前後不覚になり迷い込んできたヨッパライにとりあえず一杯と酒を勧めたり。はたまた突然の大雨に見舞われてみんなで震えつつも絶対帰らず、気合いで飲み続けたりするのが楽しいわけだ。

さて、自分は北京で暮らすようになって4年目になる。その間ずっと日本の桜を見ていないが、その代わりにこちらで中国式の花見を満喫している。「花より団子」といった趣きがなきにしもあらずな日本の花見とはかなり違う、ひたすら花を愛でる春の楽しみである。 

中国の人々、特に自分が暮らしている北京の市民は、本当に花が好きだとしみじみ思う。北京の冬は長く、寒さも厳しいため、その分だけ人々は春の訪れを待ち焦がれる。ところが、北京の春は短くて、5月の半ば頃にもなると、半袖Tシャツでも十分といった気候になる。刹那の春を存分に楽しむべく、北京の人々はこぞって桜の名所に行き、心ゆくまで花を眺めたり、写真に収めたりするのである。敷物を敷いてお弁当を食べている人くらいは見かけるが、日本のように桜の木の下に泥酔したおじさんが寝転がっているといったことは、まずないと言っていい(それはそれで日本の花見の風物詩であり、自分は好きだが) 

筆者が勤めている職場から一番近いところだと、玉淵潭公園という桜の名所がある。歩いて行ける距離なので毎年桜が咲く季節になるとふらりと出かけるのだが、敷地には数え切れないほどの桜の木が植えられていて、辺りの景色と相まって実に美しい。人出は多いが、皆さんゆっくりと歩きながら花を眺めているので、混雑していても急かされるような気持ちにはならない。また、中国はとにかくスケールが大きく、公園と言っても1周するだけで何時間もかかるところが珍しくない。そういう開放感のある場所で春風を感じながら、中国の人々と一緒に桜を鑑賞するのは、実に風雅な趣きがある。

ところで、こちらの人々は花も好きだが、記念写真も同じくらい大好きだ。公園内を見渡すと、あちこちで桜の木をバックにポーズを取る人がいて、皆さん本当にいい笑顔をしているのが印象的である。また、近年は漢服姿で桜の名所に出かけ、撮影を楽しむ女性や親子連れをよく見かけるのだが、中国庭園と桜が織りなす風景に溶け込んでいて、見ていて飽きない。

ちなみに、自分の周りにいる中国人の友人たちは、春になると「日本に桜を見に行きたい」としばしば言う。ぜひ旅行で行っていただきたいと感じる反面、例えば東京・上野の山の花見会場を見たら、想像と違って驚くのではないかと思ってしまう。ただ、これはどちらの花見がいいという話ではなく、日本の賑やかな花見と、桜を愛でつつ撮影を楽しむ中国の花見、それぞれに味わいがあるということに尽きる。

……と、ここまでいろいろ書いてきたが、中国の花見がどのようなものであるかは、やはり文章や写真だけでは伝え切れず、直に体験してもらうに越したことはない。さすがに今年は間に合わないだろうが、皆さまにはぜひ来年の春、観光がてら中国を訪れていただきたい。何も北京に限らずとも、武漢大学の桜並木や江蘇省無錫市の桜祭り、貴州省の山桜など、中国には桜の名所が数え切れないほどある。日本とはまた一風異なるこちらの花見の風情を、一人でも多くの同胞諸兄に感じていただきたい。 

「北京週報日本語版」2023年3月22日

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