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新型コロナとの闘い 上海で活躍する日本人の物語
李一凡=文  ·   2022-06-01  ·  ソース:人民中国
タグ: 上海;日本人;中日交流
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コミュニティー内の臨時理髪店

長引く在宅生活で、散髪は多くの住民にとって切実な悩み事だ。そんな中、上海在住19年になる日本人美容師の安東泰一さんはコミュニティー内で臨時理髪店を開き、無料で近所の人々にサービスを提供している。

ヘアカットをする安東さん

「封鎖が始まってから、私たちはたくさんのボランティアに助けていただきました。私も何か一つでもと思い、カットをボランティアでさせていただくことになりました」と安東さんは話す。臨時理髪店は居民委員会オフィスビルの2階にあり、営業時間は午前10時から午後5時までで、1日に15人から20人の髪を切ることができるという。目下、臨時理髪店はヘアカットのサービスしか提供できないが、10代の子どもから80代のお年寄りまで、誰もが安東さんへの賛辞を惜しまない。

安東さんに感謝を伝えるため、ヘアカットが終わると住民たちはそっとプレゼントを置いていく。ジュースやケーキ、ビスケット、みかんなど、テーブルの上を埋め尽くすのは感謝の気持ちが詰まった品々だ。「美容師をやっていてよかったなと改めて思うことができました。居民委員会は場所を提供してくれましたし、住民の皆さんへ連絡してくれる方や消毒や掃除を手伝ってくれる方もいます。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と安東さんは語る。

物資調達を担う専業主婦

封鎖管理期間中、輸送力不足で個別に物資を配達するのが困難なため、多くの住民がコミュニティー向け共同購入で生活物資を購入している。「団長」と呼ばれる共同購入のリーダーは住民の買い物を取りまとめ、物資の供給を保障する重要な役割を果たしている。専業主婦の渡辺亜沙子さんは10年以上前に職場を離れた今、故郷から遠く離れた上海で思いがけず「団長」を務めることとなった。

2019年、渡辺さんは駐在員として赴任する夫と共に、家族で上海に移住した。「人見知りなので、同じコミュニティーに住んでいる日本人についても詳しくなかったし、友達も数人しかいませんでした」と渡辺さんは話す。中国語が得意ではないため、隣人との交流もほとんどなかったという。「『不好意思(すみません)』と『谢谢(ありがとう)』、後はエレベーターでお隣さんに『几楼(何階)?』と聞くことくらいしか話せません」

新型コロナの感染拡大後、渡辺さん一家の生活も困難に直面した。「封鎖の前に備蓄した物資はほとんど使い果たし、どこで補充すればいいのか。家族の1日3食はどうしたらいいのか」と、彼女は不安を抱いていた。幸いにも同じコミュニティーに住む中国の隣人が共同購入を始め、日本人もSNSアプリである微信(ウィチャット)のグループに招待された。しかし、中国語が上手ではないため、グループ内の買い物情報に対応できない日本人が少なくなかった。

そのため、渡辺さんは自ら「団長」になることを決めた。彼女はコミュニティ内の日本人と連絡を取り、共同購入のグループを作った。渡辺さんによると、現在同グループの人数は240人以上で、中国人と日本人の割合は半々だという。

共同購入した品物の確認をする渡辺さん

物資の調達、購入者数の計算、不動産管理会社とのコミュニケーション・調整、品物の消毒と運搬など、コロナ下の上海における共同購入には膨大な作業が伴う。数百人を支える「団長」として、フルタイムの仕事並みの精力を費やさなければならない。そこで、近隣住民は自発的にボランティアチームを立ち上げ、「団長」である渡辺さんを支援している。物資を探し、住民の需要を把握する「仕入れ組」、購入件数をまとめ、代金を受け取る「会計組」、物資を運搬して各棟に配布する「運搬組」と3組があり、渡辺さんはそれらの情報を取りまとめて手配を行う。

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