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新型コロナとの闘い 上海で活躍する日本人の物語
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李一凡=文 · 2022-06-01 · ソース:人民中国 |
タグ: 上海;日本人;中日交流 | 印刷 |
上海市民の一致した努力と全国からの支援により、上海では最近、新型コロナウイルスの感染拡大が効果的に抑制され、予防・抑制対策に段階的な成果が見られた。上海は中国で在留邦人が最も多い都市であり、感染拡大を前にして、多くの日本人はPCR検査の医師やボランティア、物資調達の取りまとめ役として上海を支え、この都市と共に困難を乗り越えようとしている。彼らは、自分たちも市民の一人であり、上海を守るのは当然のことと考えている。この期間中、在留邦人たちは一丸となって新型コロナと闘い、思いやりに満ちた上海の人々に心を動かされ、上海への帰属感を一層深めている。
第一線で働く日本人医師
スワブで咽頭をぬぐって粘液を採取し、スピッツに入れて、蓋をする……このようなPCR検査の検体採取の作業を慣れた手つきで行う日本人医師の小野火美子さんは、1日に1000人以上の検体を採取する。
小野さんは上海市浦東新区浦南病院国際医療部の総合診療医で、防疫の第一線で2カ月半以上働いている。「検体採取の仕事は大変ですが、温かい言葉をかけていただくと、また力が湧いてきます」と小野さんは語る。
新型コロナが発生した後、小野さんはすぐにPCR検査の医師に応募した。「私は中国で学んだ外国人医師で、学部では中医学を専攻しました。卒業後はずっと浦南病院に勤めていて、上海で20年以上暮らしているので、とても思い入れがあります」と小野さんは話す。彼女は2人の子供を家族に預けて、新型コロナとの闘いの第一線に身を投じた。
小野火美子さんの防護服を着てPCR検査をする姿と普段の白衣姿
スマートフォンの使い方が分からないお年寄りの手助けをする若者、子ども連れでPCR検査を受ける夫婦を気遣って手伝う隣人たち、一日中忙しく働いたスタッフにおしゃれなお菓子を送る住民……コミュニティーでのPCR検査に携わる中、感動したシーンはたくさんあると小野さんは言う。
「コミュニティーでPCR検査をした時、そこにお住まいの方々が手作りお菓子を持ってきてくれたのですが、日本のお菓子に似ていたので、遠く離れた親戚と友人のことを思い出しました。そこで写真を撮って、その温かい気持ちを皆さんと分かち合いました。力を合わせてもう少し頑張りましょう! 上海はきっと普段の生活に戻れます」と語る小野さんの明るい笑顔には、多くの人が励まされている。
手際よく防護服と青い手術着に着替え、検体採取の準備を済ませたのは、小野さんの同僚である寺崎真さんだ。「出発前、病院の上司はホールで、『皆さんが参加するのは国民の健康を守る事業です』とエールを送っていました。それを聞いて、心が震え、とても感動しました」と寺崎さんは話す。
3輪トラックに乗ってコミュニティーを走り回るという「大衆密着型」のスタイルは寺崎さんにとってとても新鮮で、「仕事の効率もかなり上がりました」と話す。最近は同僚と共に近くのコミュニティーや工事現場、企業を走り回っているほか、濃厚接触者の自宅に出向いて検体採取を行っている。朝早く家を出て、夜遅く帰宅することも多く、一番遅い時には深夜2時にようやく病院に戻れたこともあったという。
3輪トラックに乗ってPCR検査の検体採取所に向かう寺崎さん
「最初はつまらないと感じましたが、私は医師免許を持つ中医学医師なので、中医学の理念を持って検体採取の仕事に向き合うようになってからは、以前とは全く違う感じがしています」と言う寺崎さん、スワブで咽頭をぬぐって粘液を採取する時、舌質と舌苔を観察して、「この方は舌苔がやや黄膩(黄色がかっていて粘り気がある状態)で、湿熱体質ではないか。この方の舌質はやや黒くて瘀斑があり、血瘀(血の巡りが悪い状態)体質ではないか」といったふうに、ひそかに「舌診」を行っているのだという。
PCR検査に数十回参加し、寺崎さんは居民委員会と不動産管理会社のスタッフやボランティア、各地の医療従事者に出会った。「新型コロナ対策でみんなが力を尽くして、一致団結しています。その精神に心から感動しました」と寺崎さんは語る。
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