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中国の人々にゴルフの面白さを伝えたい 上海在住プロゴルフコーチ・森田愁平さんの「中国夢」
本誌記者・植野友和  ·   2021-06-15  ·  ソース:北京週報
タグ: ゴルフ;上海;中日交流
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「当時、食堂の回鍋肉が5元とかそれくらいの時代に、1回練習するだけでもろもろ合わせて300元くらいお金がかかってしまっていたんですが、それでも我慢できなくて練習場に通っていました。その頃、たまたま僕の誕生日で兄から連絡がありまして、欲しいものはあるかって聞かれて『キャディバッグ』って答えてしまったんですね。ゴルフ禁止という条件での留学だったので怒られましたけれど、しばらくして国際郵便で送られてきたことをよく覚えています。そうして練習を続けているうちに、もともとプロ志望でそれなりに打てるので目立つのか、ゴルフスクールを経営している中国の方にうちで働かないかと声をかけられました。20歳そこそこの若造がいきなり副総経理をやることになり、30人くらいの部下を持つことになってしまったんです。そこから紆余曲折を経て、ゴルフスクールの代表となり、やがて今の会社の『G.NEXT』総経理としていろいろな方のサポートもあり、中国でゴルフに携わることができています」

オリンピックのゴルフ種目で中国国旗が上がる日を夢見て

自身と中国、そしてゴルフとの縁を笑顔で話す森田さんだが、全てが順風満帆だったわけではない。オーナーと意見の違いでぶつかったり、一緒に事業をする予定だった人がお金と共に消えたりといった試練を乗り越え、現在の成功を掴んでいる。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響にも見舞われたが、森田さんはそのピンチすらチャンスに変えた。 

「コロナで営業ができない間、スタッフの教育とブランディング作業を集中的に行っていたんです。その甲斐あって、昨年6月に再びお店をオープンしてから一気にお客様が戻ってきて、サービスにご好評をいただくようになりました」

お店でゴルフコーチをする森田さん(写真右、写真=本人提供)

昨年のコロナ発生当初、多くの駐在員が日本へ帰国する中でも、中国に留まり続けた森田さん。その目に中国の感染症対策はどのように映ったのだろうか?

「コロナ対策のように、みんなが同じ方向を向いて頑張らないといけないという時に、全力で向かせていく姿勢にちょっと感銘を受けたというか、心にドンと来ましたね。日本人、特に僕たちの世代って、そういうのを間違っていると教えられて育っていますよね。でも、こうしてコロナの抑え込みに成功しているのを見ると、中華人民共和国のすごさというか、中国共産党の強さを感じます」

かつて一度は諦めたゴルフで生計を立てるという夢を中国で叶えた森田さんは、チャイナドリームの実現者のように思える。しかし、ご本人にはより壮大な夢があるという。

「中国で夢を叶えたと言っても、これだけ広い国で現状6店舗ですので、まだまだだと思っています。それよりも中国でより一層ゴルフが盛んになって、世界的な選手がどんどん出てくることに貢献できたらと思うんです。ゴルフは今やオリンピックの正式種目にも復帰しています。これからも中国でゴルフ普及に努めて、いつか中国のゴルフチームが表彰台に上がる瞬間を見られたらというのが願いです。僕自身、プロのライセンスを持っていますので、コーチなのかアドバイザーなのかは分かりませんが、できれば何らかの形で中国のナショナルチームに携わること、それが僕にとっての夢であり、挑戦でもあります」 

経済のみならずさまざまな分野で今も急速な発展を遂げている中国。来年には北京冬季オリンピックを控え、スポーツ熱はますます高まっている。森田さんの願いが実現するのは、そう遠い日のことではないのかもしれない。

「北京週報日本語版」2021年6月15日

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