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「恩返し」の言葉に込めた思い ディレクター・竹内亮氏
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· 2020-04-24 · ソース:人民網 |
タグ: ドキュメンタリー;日本人;文化 | 印刷 |
活動やドキュメンタリー制作を通じて改めて感じた中国とは
新型コロナウイルスを取り巻く状況はその発生から感染拡大、武漢封鎖から封鎖解除、そしてパンデミックへとめまぐるしい変化を遂げている。その中で中国の新型コロナ対策をドキュメンタリー制作を通じて見つめてきた竹内氏は、「一言でいうと『すごい』という言葉でしか表現しようがない。最初はここまでやるのか、やり過ぎではないのかという思いもあったが、実際に結果が出ているので、中国政府の決断力の速さと実行力、そして中国の人々が一致団結し、協力し、助け合ったことが、すごいと感じた。誰かがすごいとかではなく、全員すごいと思った」と高く評価。また同じメディアの立場から、中国のメディアに対しても、「普段から中国のメディアがやっていることではあるのだが、常に第一線で頑張っている人々を報道し続けた点が、日本と比べるとすごいと今回初めて感じた。そういう人たちを目にすることで、人々がより一致団結し、頑張ろうという気持ちにさせられる。一方の日本のメディアは否定することが多いので、社会全体がどんどんギスギスしていってしまう。日本のメディアも同じように頑張っている人々をもっと取り上げるべきではないだろうか」との見方を示した。
「相当中立に近い立場」から中国を捉える
しかし、竹内氏の制作したドキュメンタリー「新規感染者ゼロの街」はそうした「すごい」という思いよりも、むしろすべてを淡々と捉えた手法で作られており、それによってかえって説得力が増し、このドキュメンタリーの反響を大きくした。その点について竹内氏は、「リアルに伝えたかったから。中国良いよ、中国のコロナ対策すごいよというのではなく、また逆に恐ろしいよという風に伝えるつもりもなく、私たちはあくまで見たものを提供して、あとは皆さん考えてくださいという姿勢で、ドキュメンタリーの基本に忠実に作っただけだと思っている。これは何が正しいと私が言える問題でもない。南京には適した対策かもしれないが、日本に適しているかは別なので、あくまで参考にしてほしいというスタンスだ」としている。
とはいえ、そのシンプルさとバランスの取り方は絶妙であり、それを貫くことはなかなか難しいのではないだろうか?そんな問いに竹内氏は、「たぶん若い時に中国に来ていたら、中国を好きになり過ぎて、だいぶ中国寄りになってしまっていたかもしれない。中国が本当に大好きなので。ただ私の場合、33歳まで日本にいて、キャリアもメディアに対する考え方も日本で形成され、日本人の考えなどをかなり理解した上で中国に来た。そういう意味で中国に完全に染まってはいない。たぶん今後も染まることはないだろう。もちろん100%中立的というのはあり得ないが、たぶん相当中立に近い立場に立てているのではないかと自分では思っている」としている。
「パンダの恩返し」活動の今後について竹内氏は、「あまり先のことまでは正直考えていない。いつになったら終わるんだろうとは思うが、寄付が集まり続ける限りは送り続ける。まだまだ全然頑張れるし、頑張るつもりだ」と飄々と語る。インタビューの最初から最後まで、非常にリラックスした「自然体」の竹内氏の語り口は、飾ることなく淡々としていながら、しっかりとした芯を感じさせてくれる彼のドキュメンタリー作品そのものだった。(文・玄番登史江)
「人民網日本語版」2020年4月23日
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