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日本の「スマートシルバー経済」が中国に与える啓発
  ·   2018-07-02  ·  ソース:
タグ: 日本;シルバー経済;中日交流
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日本はすでに「超高齢化社会」となっている。

そのように言えるのは、日本の高齢者の人数が人口全体に占める割合がかなり高いほか、深刻な高齢化が日本に大きな影響を与えているからだ。例えば、人手不足、多くの道路・ビルなどのインフラが高齢者のニーズを考慮に入れずに建設されているため、時代遅れとなり、早急に改造を必要としているなどの問題が発生している。 瞭望東方周刊が報じた。

その他、高齢者は足腰が悪い場合が多く、視力も悪く、スマホなどのハイテク商品も使い慣れていないため、若者との間に「情報格差」が存在するようになっている。これも、「超高齢化社会」が直面する大きな課題だ。

日本人は通常65歳で定年を迎える、しかし、現在100歳まで生きる人も多くなっており、65-100歳の高齢者にいかに長く、楽しく生きてもらうかが日本社会で解決が急務な課題となっている。

中国も現在高齢化が急速に進んでおり、日本と同様の問題に直面する日はそう遠くない。さらに、日本より人口がかなり多いため、問題は日本以上に深刻化する可能性がある。そのため、日本の同分野の経験は、中国が「高齢者社会」の計画を策定するのに、大いに参考の価値があるといえる。

最新技術を使って革新を進め、「スマートシルバー経済」を構築するというのは、日本の効果的な対策の一つだ。介護ロボット、スマート家具、オンラインショッピング、バーチャル・リアリティ(VR)、自動運転、家庭向け監視カメラの応用などは、今後の「スマートシルバー経済」の革新ポイントで、そこに商機が眠っている。

例えば、日本のある企業は、自力での食事が困難な高齢者の食事を支援するロボット・マイスプーンを開発した。また、多くの操作を音声で行うことができ、老眼鏡をしなくても使える高齢者専用のスマホも販売されている。

日本の高齢者も現在、ロボットや新技術の支援を受けることを歓迎するようになっている。もちろん、さらなる革新を行って、高齢者がロボットに対する新鮮味を保てるようにする必要もある。

「スマートシルバー経済」は中国ではすでに着々と発展している。例えば、阿里巴巴(アリババ)はすでに、音声認識、自然言語理解、ナレッジグラフ、コンピュータービジョンなどの人工知能技術を応用して、高齢者をサポートするデジタルアシスタントを開発している。

「交通手段」も、「シルバー経済」において革新が必要な重要ポイントだ。研究によると、日本の交通事故の65-70%は高齢者の運転が原因となっている。そのため、自動運転技術、特に高齢者向けの自動運転システムが今後、広く活用される分野となるだろう。

一人暮らしの高齢者向けの家庭用監視カメラシステムの開発も今後必要だろう。第5世代移動通信システム(5G)は間もなく商用化される見込みだ。そうなると、通信速度が非常に速くなり、高齢者の介護にも一役買うようになるだろう。また、オンラインショッピングシステムやVR機器なども高齢者の生活を大きくサポートするようになるだろう。

総じて言うと、高齢化が急速に進んでいるものの、日本の経験からして、中国は過度に心配する必要はなく、モノのインターネットやビッグデータ、ロボット、人工知能などのハイテクをうまく活用できるよう前もって準備していれば、個人、企業、社会の「ウィンウィン」を実現することができるだろう。 (編集KN)

「人民網日本語版」2018年6月29日

(文:小尾敏夫 早稲田大学電子政府・自治体研究所所長。本記事は小尾所長が2018年5月に復旦大学上海フォーラムで行った講演を基にしています)。

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