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日本で活躍する中国人作家・毛丹青:相手の力を借りて中国文化を日本で開花させる
  ·   2017-06-30  ·  ソース:
タグ: 毛丹青;中国文化;中日交流
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「私は日本で暮らして30年目になる。2002年にノーベル文学賞受賞作家の大江健三郎さんが、同じくノーベル文学賞受賞作家である中国の莫言さんの故郷を訪問するよう企画し、今年は、芥川賞を受賞したお笑い芸人の又吉直樹さんが初めて中国を訪問した。私にとって、とても達成感のあること」。日本で活躍する中国人作家・毛丹青さんは取材に対してそのように語った。17年6月、自身の処女作である「火花」の中国語版が刊行されたのを機に、又吉さんは招きに応じて中国を訪問し、「火花」の中国語翻訳者である毛さんと上海で対話イベントに参加し、中国の読者と交流した。イベント開催期間中、毛さんは人民網の独占インタビューに応えた。

又吉さんの訪中を企画した理由に関して、毛さんは、「ある日、又吉さんが真剣な目つきで私を見つめながら、突然、『毛さん、僕を中国に連れて行ってくれませんか』と言った。真剣な目でそう言われると、絶対に連れていってあげなければと思うものだ。だから今回のイベントを企画した」と説明した。

文学の翻訳:中国にないものを翻訳する難しさ

売れない漫才師2人が夢を追いかける姿を描く「火花」は、日本で発行部数が300万冊を突破し、15年に芥川賞を受賞した。「火花」は、毛さんによって中国語に翻訳され、相声(日本の漫才に相当)で知られる中国のコメディアン・郭徳綱(グオ・ダーガン)が前書きを書いて、人民文学出版社から刊行された。

文学作品の翻訳は、単に文字を翻訳すればよいというだけのものではなく、翻訳者が両国の文化をしっかりと把握しておくことが必要だ。「翻訳の際、最も悩むのは、対応する要素や言葉がない時」と毛さん。例えば、「火花」で出てくる「漫才」は、中国の「相声」に似ているものの、中国の字典にはその言葉がのっていない。毛さんはそれを「漫才」と直訳している。その理由は、「日本の漫才と中国の相声は違う。例えば、中国の相声では2つのマイクを使い、二人は一定の距離を保つ。一方、日本の漫才師は1つのマイクしか使わず、二人の距離も近い。それに、大げさなアクションや体の接触などもある。だから、『漫才』を『相声』と訳すのは適切でない。このような違いが、翻訳の難しさ」という。

「火花」に出てくる日本人の「ボケ」は、多くの外国人にとって理解しにくいものの、毛さんは、この作品を初めて読んだ時に中国語に翻訳すると決めたという。「翻訳者は衝動的であることが一番大切。『火花』を読んだ時、翻訳しなければという衝動にかられた。読んだ時の第一印象が翻訳しようと思った一番の理由」と毛さん。

相手の力を借りる』ということ。相手の力を自分の力にし、共に進歩して、ウィンウィンを実現しなければならない」と語った。

中日関係:「中日の国民の距離はかつてないほど縮まっている」

今年は中日国交正常化45周年で、毛さんにとっては日本で暮らして丸30年になる。最近の経験について、毛さんは、「ここ10年は、中日関係の変化が顕著。中日の民間交流が年々拡大している。日本のメディアの報道によると、年間600万人の中国人観光客が日本を訪問している。それらの観光客は、日本を離れる時、自分が見た情報や感じたことなどを中国に持ち帰る。これは未曾有の現象だ」と話す。

今回のイベントを通して、筆者は、多くの読者が日本語版の「火花」を既に読んでおり、又吉さんの発言にすぐに反応していることに気付いた。その点に関して、毛さんは予想外だったといい、「つまり、日本語は文化的要素として、中国で消費され始めているということ。多くの読者が独学で日本語を勉強しているようだ。読者たちは日本の原作者の声をストレートに理解することができる。そのような現象を通して、今後、日本の書籍は中国市場で発展し続けることが予想される」と語った。

「火花」では、「漫才」のほか、「居酒屋」や「コタツ」、「花火大会」、「お笑い芸人がバラエティー番組のコンテストに参加する」など、日本ならではの文化の要素が出てくる。しかし、毛さんは、中国の読者がそれらを理解できないことを心配しなかったといい、「川端康成や谷崎潤一郎などの日本の作家の作品が中国に進出した時代、それらの作品では、中国人が全く理解できない物も描写されており、溝があった。しかし、今の中国の若者は小説やテレビを通して、すでにそれらをよく耳にしており、日本風の居酒屋が身近にあるという人もいる。この点から考えると、中日の国民の間にある距離はかつてないほど縮まっている」と説明した。

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