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中日文化の間を「泳ぐ」作家毛丹青(三)
  ·   2017-05-26  ·  ソース:
タグ: 中日文化;毛丹青;中日交流
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作家・毛丹青は微信(Wechat)の公式アカウントで、自分のことを「日本で暮らす作家で、神戸国際大学の教授。日常生活をメインにし、日本文化の細部について描写することだけにこだわっているのではなく、他のことについても書くこともあるものの、主に日本人に対する理解を目的としている」と紹介している。(文:徐敏。済南日報掲載)

最近、毛丹青が翻訳したお笑いタレントの又吉直樹の小説「火花」の中国語版が人民文学出版社から刊行された。「火花」は日本で、発行部数300万部という大ベストセラーとなった。今回、毛丹青が取材に応え、「火花」を翻訳することになったきっかけにやこれまでの創作のエピソード、中日文化交流などについて語ってくれた。

 「『火花』が日本文学の新しい分野を切り開いた」

「火花」は、売れない芸人・徳永と先輩芸人・神谷が漫才師としての道を探求するお笑い哲学を描いていおり、発行部数300万部という奇跡の大ベストセラーとなった。この小説の作者である又吉直樹は、お笑い芸人で、毛丹青が最近、同作品を中国語に翻訳した。「又吉直樹の漫才を見たことがあり、『火花』にもすぐに魅了された。特に、又吉直樹は執筆した文章の勢いがすごく、驚かされることもある。この作品を読んで、すぐに翻訳したいと思ったのが、翻訳を引き受けた最大の理由」と毛丹青。

日本のお笑い芸人の最も基本的なスキルは、「人を笑わすことができる能力」だ。毛丹青は、「中国の以前の状況とほぼ同じく、日本でこの職業に就く人は昔、貧しい家庭出身の人ばかりだった。しかし、ここ20年、日本の社会も大きく変化し、高学歴の人や裕福な家庭で育った人もお笑いの世界に飛び込むようになった。そして、さらに多くに人に受け入れられる業界になった。芸人が人を笑わせるためには、他の人のことをよく観察し冷静に判断できる能力が必要で、それがなければ、さじ加減の良いネタは思い付かない。そのため、お笑いという仕事も難しい世界で、誰かに弟子入りして長期間修行を積まなければ、漫才師として舞台に立つことはなかなかできない。又吉直樹はそのようなお笑い芸人の一人だ」と説明する。

そして、「又吉直樹のお笑いのレベルも高い。彼が読書家であることは有名で、子供のころからいろんな本を読みあさった。そのようにして得た知識が、漫才やコントを作る際の基礎になっている。膨大な知識をベースにしたお笑いは、単に自分の周辺で起きているささいなことをネタにするのとは違って、深みがある。彼のような芸人は、日本ではとても少なく、とても貴重な存在」と、お笑い芸人出身の作家である又吉直樹のことを高く評価している。

日本の現代文学を見ても、お笑い芸人が純文学の世界で成功したケースはほとんどない。また、又吉直樹の小説は、単なるお笑いのネタではなく、芸人が社会人の一人として、夢を持ち、挫折や絶望を経験し、奮闘するリアルな様子を描いている。「この点から見て、『火花』は、新しい分野を切り開いた。その他、又吉直樹の文学的な表現能力はとても高く、ソーシャルメディアが普及している今日、それは特に貴重。 又吉直樹が純文学を会得しており、細かい点に至るまでしっかり汲み取っているという特徴が、この本でよく表れている」と毛丹青。

そして、「純文学の観点から見ても、『火花』を高く評価すべき。業界内の評論家たちもこの本を非常に高く評価しており、2年で発行部数300万冊というのは、前代未聞の記録。このことから、多くの日本人が心の『癒し』を求めて、純文学を読んでいることが分かる」と分析している。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年5月25日

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