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日本の「ゆとり教育」が中国の義務教育に劣る点
  ·   2016-06-14  ·  ソース:人民網
タグ: 日本;「ゆとり教育」;中日交流
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○日本が「ゆとり世代」に不満を抱く原因は?

問題が顕著に現れたのは、2003年のPISAの結果だった。経済協力開発機構(OECD)による国際的な生徒の学習到達度調査(英語:Programmer for International Student Assessment, PISA)は、2000年にスタート、15歳の生徒を対象に、3年に1度調査が行われている。PISAの実施目的は、教育方法と成果の改善にあり、現時点で、世界で最も影響力を備えている国際学生学習評価プロジェクトの一つとなっている。

PISAは主に、学生の読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーという3側面を考察するものであり、アジアのトップを行く先進国である日本は、豊かな教育資源を備えており、学生の素質も当然極めて高い。よってPISA第1回目には、日本の数学的リテラシ―は世界トップ、科学的リテラシ―は第2位だった。読解力については、順位はそれほど高くはなかったが、諸外国と大きな差がある訳ではなかった。

だた、2回目のPISA調査が行われた2003年になると、日本は、科学的リテラシ―が前回と同じ第2位だったが、残る2項目は大幅に順位を下げた。2003年に15歳になったのは、ちょうど1987年生まれの「ゆとり第一世代」だった。

2006年になると、結果はさらに首をかしげるものだった。科学的リテラシ―は前回の第2位から第6位に、数学的リテラシ―は第6位から第10位に、読解力は第14位から第15位に、軒並み後退した。この結果に日本社会全体が大騒ぎとなり、「ゆとり教育は失敗だった」との烙印を押された。

同時に、「ゆとり世界」が社会人となると、基礎知識の乏しさが産む社会的問題が噴出した。社会で「濃度」とは何かが分からない、四則計算の順序がよくわからない、あまりなじみのない漢字は全く知らない、といった人が続々と出てきた。彼らは、学校を中退した訳ではなく、高卒以上の学歴をもっており、大学生や大卒生も多かった。このような現象は、「ゆとり教育」実施前の昭和時代には想像できないことだった。

日本政府は急ぎさまざまな対応策を制定した。同時に、学校側も「学習指導要綱」の内容を上回る内容を教え始めた。ついに、2009年のPISA調査で日本が名誉挽回、各項目で順位を上げた。だがその順位も、日本が自慢する「アジアトップ」の地位に相応しいものとは言えなかった。

日本政府も新「学習指導要領」の制定に急ぎ着手、「ゆとり教育」の全面廃止に向けた話し合いが始まった。

中国に眼を転じると、2009年から中国大陸部を代表してPISA調査に参加している上海は、2回連続で単項目の首位と総合首位を獲得した。この結果により、中国の義務教育は、日本が失敗に終わった「ゆとり教育」より大いに優位性を備えていることが証明された。

「ゆとり教育」は今や過去の産物となった。日本の高校は2013年、新「学習指導要綱」を実施し始めた。2016年以後に高校を卒業した若者は、もはや「ゆとり教育」とは無縁の人々だ。

「ゆとり教育」の全面廃止後、日本の学生の総合的素質は、大幅に回復したことは間違いない。日本の義務教育は、紆余曲折を繰り返し、挫折し、無収穫だったように見えるが、中国は、日本の大学教育の輝かしい成功にも注目しなければならない。日本社会が世界に先駆けてこの「教育実験」を断行した勇気は、大いに敬服に値する。

まさに、「僕は変わりたい。このまま変わらなければ、僕は自分をもう我慢できない」というドラマの男性主人公の台詞そのものだ。

その通り、誰が変えようとしているかに関わらず、変われば周囲の環境に適応するようになる。日本の「ゆとり教育」は、「失敗」の烙印を押されたが、ひとつの実験としては、啓発的作用がなかった訳ではない。このような大がかりな社会的実験によって、我々は、「素質教育は重要ではあるが、学生の基礎知識を養うことが、義務教育段階の重点であるべきだ」ということを知った。また、日本で成功している大学教育や科学研究人材の育成システムについても、中国は日本から学ぶべき点が多々ある。(新華網客思コラム 作者:Chivn 文章は作者独自の観点による)(編集KM)

「人民網日本語版」2016年6月14日

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