輸入博の消費財展示エリアで、ライブコマースによる製品のプロモーションを行うスタッフ（写真＝新華社提供）

第４回中国国際輸入博覧会（以下、輸入博）は新型コロナウイルス感染症対策が強化される中、年計算で意向成約額が累計７０７億２０００万ドルに上り、依然満足のいく成果を収めた。輸入博で「爆買い」する中国消費者の購買力も、全世界からの出展企業に深い印象を残した。

輸入博期間中、中国東方航空は「オンライン＋オフライン」の形式で１４件の契約を結び、成約額は総計１１億ドルを超えた。中国南方航空も海外サプライヤー１４社と技術設備、サービス貿易、消費財などを含む１６件の輸入調達プロジェクトを契約した。

これらは中国のバイヤーによる購入事例のごく一部に過ぎないが、質の高い発展に向けた中国のモデル転換に伴い、出展企業がもたらす製品の変化も、中国市場における消費ニーズの移り変わりを反映している。

消費がよりグリーンなものとなる。新エネルギー自動車向け素材のトータルソリューション、自動車業界向けの循環利用可能な低炭素素材ソリューションなど、低炭素と省エネはデュポンの展示ブースの主要テーマとなった。デュポンモビリティ・マテリアルズの呉桐グローバル副社長は、「当社は中国で消費ニーズの流れをしっかりと掴み、省エネ・排出削減やグリーン生活、スマート生活の取り組みに積極的に参加してきた」と述べた。

製品がよりスマート化する。業界初のサンルーフ搭載式エアバッグや運転手の状態を脳波でモニタリングする新型自動運転技術「Ｍ．Ｂｒａｉｎ」の世界初公開など、第４回輸入博では韓国の部品サプライヤーである現代モービスが多くの来場者を引きつけた。

カスタマイズがより緻密なものとなる。質の高いオーガニックなライフスタイルへの中国家庭のニーズに着目し、ベラミーズは輸入博で子供向けオーガニック粉ミルクを世界初リリースした。また、中国の高齢化市場に焦点を合わせて輸入博に初参加したユナイテッドファミリーヘルスケアはボーダーレス医療をテーマとして打ち出し、インターネット病院をベースとする「在宅医療」「企業クリニック」「２４時間ホームドクター」などの展示を行った。外国の出展企業は中国における消費の趨勢を進んで模索し、中国市場へのカスタマイズはより緻密かつ踏み込んだものとなっている。

新製品や新サービスのほか、出展企業も中国における消費の新モデルに適応しようとしている。多くのブランドは輸入博の現場でライブコマースを行い、各国の大使もライブコマースに続々と登場して製品を売り込んだ。

ＡＧＣ株式会社の上田敏裕執行役員は、「輸入博は非常に素晴らしいチャンスと場であり、ここでは中国の消費ニーズに直接繋がることができるし、中国市場にはまだ開拓されていないとても大きな潜在力があることも分かった」と述べた。

「北京週報日本語版」2021年11月12日