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デジタル人民元の研究開発を進めるのはなぜか?
  ·   2021-04-30  ·  ソース:人民網
タグ: デジタル人民元;消費;経済
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銀行のキャッシュカードとひも付けする必要はなく、かざすだけで決済が完了し、ネットワークがなくても決済できる。資金はリアルタイムで口座に入り、待たなくてよく、手数料もかからない。取り引きはコントロール可能かつ匿名で行なえ、消費者のプライバシーが保護される……デジタル人民元は今、私たちの生活に徐々に近づいてきている。専門家は、「デジタル経済時代の新型決済手段の1つとして、デジタル人民元には極めて大きなポテンシャルがある」との見方を示した。人民日報海外版が伝えた。

デジタル人民元のテスト実施都市である成都市の市民の徐さんは、少し前にデジタル人民元のプレゼントに当たり、238元(約2万6千円)をもらった。「デジタル人民元での消費体験は素晴らしい。決済の方法は支付宝(アリペイ)や微信支付(WeChatペイ)とそんなに変わらない」という。現在は一部の外食、書店、スーパー、ECプラットフォーム、地下鉄・交通機関などがデジタル人民元に対応するようになり、カバー範囲がますます広がっている。

テスト実施都市では、複数の銀行がテストに深く関わるようになるにつれて、デジタル人民元が外食サービス、各種料金支払い、ショッピング・消費、移動交通など複数の利用シーンをカバーするとともに、スマートフォンによるコード読み取り、端末にかざしての決済、スマホから離れた情報が見えるカード式の「ハードウォレット」、現金との双方向の両替などさまざまな決済モデルが登場した。専門家は、「デジタル人民元は将来、ECやショート動画などオンライン分野に浸透するとともに、企業貿易、サプライチェーン金融といった実体経済の分野でも大いに力を発揮するようになるだろう」と予測した。

デジタル人民元の研究開発を進めるのはなぜか。商務部(省)国際貿易経済協力研究院の梅新育研究員は取材に、「デジタル経済時代には、巨大な発展のポテンシャルを秘めているデジタル通貨は、経済運営の効率向上をサポートするほか、新しい経済業態や経済モデルを生み出す可能性もある。中国はデジタル通貨を発展させるのに多くの優位性をもっている。一方で、中国はデジタル通貨発展に必要なインフラと決済システムが相対的に整っている。他方で、中国の消費者や業者などは電子決済の受け入れレベルが高い」と述べた。

便利さと安全性以外に、デジタル通貨は私たちの生活にどのような変化をもたらすだろうか。

北京師範大学政府管理研究院の宋向清副院長は取材に、「デジタル通貨の広い範囲での普及推進は、既存の決済システムと通貨の構造に重大な変化をもたらす。デジタル通貨の時代に突入すると、人々は決済や取り引きをより好むようになる。なぜならデジタル通貨が便利さ、安全性、プライバシー保護の最大化をもたらし、これにより人々の決済習慣、生活習慣、資産運用の観念などが変化する可能性があるからだ」と述べた。

梅氏は、「新型コロナウイルス感染症により世界各地の消費者は新しい消費習慣と決済習慣を身につけるようになり、デジタル通貨はこれから越境決済の効率を高めるだろう。同時に、金融・ビジネス分野でのイノベーションがさらに加速し、それぞれの個性に合わせたソリューションが可能になり、最終的に消費者、家庭、企業における財務の健全性の向上をバックアップすることになるだろう」との見方を示した。

大規模な応用にはまだしばらく時間がかかる

中国人民銀行(中央銀行)の李波副総裁はボアオ・アジア2021年年次総会で、「これから人民銀は3つの取り組みをしっかり行なう」として、次の3点を上げた。(1)テストをしっかり実施し、テストの項目と範囲を拡大する(2)デジタル人民元のインフラをさらに改善し、システムの安全性と信頼性をさらに向上させる(3)関連の法律と監督管理の枠組みを構築する。

宋氏は、「デジタル人民元が主流となるにはまだしばらく時間がかかる。その主な原因は、デジタル人民元のインフラ設備と基本的な法律・ルールなどはこれから計画、設計、論証、構築、検証する必要があるからであり、将来の大規模な実施・応用は関連の生態圏の構築と整備にかかっている。デジタル人民元は金融システムの安定に関わり、新たな通貨に対する消費者の体験と信頼に関わり、さらには産業の発展と経済情勢に関わるものであり、慎重に方針を決定し、安定したスタートを切らなければならない」と述べた。

デジタル通貨が主流になると、紙幣及び電子決済に取って代わるだろうか。人民銀デジタル通貨研究所の穆長春所長は、「デジタル人民元の発行は行政強制によってではなく、市場化された方法によって行なうものだ。予見可能な将来において、紙幣、電子決済、デジタル人民は同時に共存することになるだろう」との見方を示した。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年4月29日

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