これらの自助努力措置の中で、必要とする職員が比較的少なく、感染拡大の防止・コントロールに利するスマート化工場が大きな注目点となっている。例えば２月２日、山東省が求める操業再開時期よりも前に、浪潮集団は防疫用サーバーなどのデジタル化製品を生産するため、済南市にある最先端設備のスマート工場の操業を速やかに再開した。

この度の事態が中国の製造業に短期的な影響を与えるのは避けられないとしても、中長期的な流れに影響を及ぼすことはない。技術の発展に伴い、中国の製造業の全体的なオートメーション化水準は大きく向上しており、リスク耐性および修復能力は非常に強化されている。

危機の中で企業が見出す新たな発展のチャンス

賽迪顧問都市経済研究センターの王高翔主任は「調査研究の分析によれば、２００３年にＳＡＲＳの流行が発生した際、経済成長に対する製造業の貢献率は同年のサービス業の貢献率を上回った。同時に、製造業の占める割合が高い都市はＳＡＲＳの流行後の回復がより早く、効率もより高かった。これは都市で伝染病が発生したのち、経済の回復と持続的成長に対して製造業が非常に重要な役割を果たすことを示している」と述べた。

多くの企業の責任者は、全ての人々が新型コロナウイルスによる肺炎と戦わねばならない中、この機会に企業の不十分な点を改善・調整し、一部の企業は新たな市場のチャンスすら見つけ出したとしている。

「この度の事態はサービスロボットの特殊な時期、特定の場所における巨大な応用市場をわれわれに見せつけた。緊急事態において、サービスロボットは有効なサポート力を提供でき、人と人との間の直接的な接触を防ぎ、特殊な状況に対応するために新たな解決方法をもたらした」と、蕪湖拓谷ロボット科技有限公司の宋超総経理は語った。

曙光公司の関連責任者も「この度の事態は企業にとって危機だが、同時に新たな発展の機会にも直面している。例えば、科学的な決定メカニズムとフローを打ち立てること、有効な組織管理システムを構築すること、製品を最大限良いものにしてユーザーのために価値を創造することなどだ」と述べた。

事態の拡大および製造業に与えるであろう影響に対し、王副院長は「安全を保障し、防疫上の要求を満たすべきという前提のもとで、条件を満たす地域・業種の速やかな業務再開を秩序立てて進め、一部のオートメーション化水準が比較的高く、事態が比較的軽微な地域では企業の業務再開を大いに促し、あらゆる手を尽くして労働力と原材料の供給を保障すべきだ」とした。

また、王副院長は「新型肺炎による影響の程度に基づき、マクロ政策でも対応措置を適宜取るべきで、例えば通貨政策は流動性を適宜高め、企業が業務再開後にゆとりのある資金調達環境を享受できるようにすべきだ」と語った。

「北京週報日本語版」2020年2月12日