定温運輸という難題を解決するために、2016年に漢欧国際の研究開発チームは列車上でコールドチェーン運輸を試みた。コールドチェーン列車が採用したのは、最新技術を備えた漢欧自家冷蔵コンテナだ。これはディーゼルハイブリッドの動力を持ち、800リットルの燃料タンクとディーゼルエンジンが備え付けられており、コールドチェーン運輸における温度調整の必要を満たすものだ。また、北斗衛星測位システムの配備により、24時間全天候対応のコンテナ測位を実現し、モバイルインターネット技術を運用して冷凍機の稼働状況を遠隔制御し、コールドチェーン運輸の全行程における「可視化・制御可能化」を実現した。
フランスワインだけでなく、ドイツビール、ポーランドのフルーツビール、カザフスタンの食用油などいずれも絶えることなく運ばれ、日常消費品は次第に「漢欧班列」で頻繁に運ばれる品物となり、ヨーロッパから中国へと運送され、中国人の食卓に上っている。同様に、宜昌のかんきつ類や潜江のザリガニなどもヨーロッパ市場へと進出している。
文化を伝える「ベルトコンベヤー」
頻繁に東西を行き交う「漢欧班列」は物資の流通と経済発展を促すだけでなく、中国と世界の文化交流における新たな架け橋にもなっている。
漢欧国際の社内に入るとすぐに、「漢欧班列」をモチーフとした絵画作品が視界に入ってくる。絵には「ハンス」という名の「漢欧班列」が嬉しそうにやって来るさまが、武漢の黄鶴楼や亀山テレビ塔、江漢関などを背景に描かれている。漢欧国際ドイツ支社の李潔総経理の話では、絵の作者はナディーンといい、ドイツの11歳の女の子だという。
これ以前に、宜昌のかんきつ類が「漢欧班列」によってロシアに運ばれるということがあった。ナディーンはそのような「漢欧班列」のエピソードを聞いた後、学校で参加した「漢欧班列」のPR活動を通じ、また両親の教えのもと、武漢に来たことのない彼女がこのような水彩画を完成させ、将来中国のかんきつ類がドイツに運ばれてくるよう願った。現在、この絵は漢欧国際の目立つ場所に飾られていて、「漢欧班列」がドイツで推し進める文化交流の象徴となっている。