新小売の勢力圏拡大が従来型小売業のモデル転換を加速
2016年9月、アリババ傘下の新型生鮮品スーパー「盒馬鮮生」が北京・上海・深圳などに10店舗を同時開業すると発表。2017年、スーパーチェーン永輝超市の生鮮品スーパー「超級物種」が1号店を開店。今年1月初め、ネットショッピングサイト大手の京東(JD.com)が手がけるオフライン生鮮品スーパー「7FRESH」1号店の亦荘大族広場店がオープンした。アリババの創始者ジャック・マー(馬雲)氏が2016年に「新小売」概念を提起して以来、ビッグデータとAIを活用した新小売が登場したことで、国内資本、電子商取引企業、従来型小売業が競って店舗配置を進めている。アリババと京東という電子商取引の二大巨頭も積極的にオフライン実店舗経営に乗り出し、新たな勢力圏拡大を展開している。
京東集団副総裁、7FRESH総裁の王笑松氏はこう述べている。「現在、『人、物、場』の概念に極めて大きな変化が起こっている。生鮮品スーパーは、従来型スーパー、飲食業、インターネットが業界を跨いで融合した結果であり、一種の複合業態だ。今後3年から5年で、7FRESHも全国に1000店舗以上を展開するようになるだろう」。
専門家は、新小売の発展は従来型小売業者にモデル転換のチャンスも提供していると見ている。中国電子商取引研究センター主任の曹磊氏は次のように指摘する。「新小売が発展していくにつれて、オンラインとオフラインが深く融合し、将来の主流小売業態になることが期待される。近年、業界内にオンラインとオフラインが相互に株を持ち合い、戦略提携するといった例が多く見られるようになった。全てのチャネルが融合し、ウィンウィンの関係を築ける形で小売業界のモデル転換が進んでいる」。