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日本はいつまでAIIBを拒否していられるか?
張敬偉  ·   2017-05-19  ·  ソース:
タグ: 一帯一路;AIIB;経済
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アジアインフラ投資銀行(AIIB)の影響力はますます大きくなっている。5月13日、AIIB理事会は新たに7カ国の加盟を承認し、メンバー総数は77に拡大した。調べによると、年内にメンバー数は85に達する見込みがある。

時代を通して志にあふれる金融機関として、AIIBは世界銀行やアジア開発銀行(ADB)と肩を並べる世界的金融機関となった。新経済周期において、同行が焦点を合わせているのは、世界市場のインフラ整備不足を補うことに着眼し、潤沢な資金を用いて世界に広く存在する「荒廃からの再興」問題を解決することである。それ故に、欧州の英仏独から新興市場のBRICS諸国、さらには北米のカナダまでもが次々に中国主導のAIIBに加盟している。

米国と日本は傍観し、躊躇している。中米首脳会談後、中米は「100日計画」について歴史的意義を持つ多くの共通認識に達した。実務主義のトランプ政権は、AIIBが自国に有利でありさえすれば、遅かれ早かれ米国の加盟を決めるだろう。では、日本はAIIBにあとどれだけ抵抗していられるだろうか?

5月15日、訪中し「一帯一路」国際サミットフォーラムに参加した自民党の二階俊博幹事長は、日本のAIIB加盟はすでに「どれだけ早い段階で決断するか」というところまで来ていると語り、この件で「大きく後れを取らないうちに対応する心構えが必要」との考えを示した。ここでいう「後れを取らない」というのは、実のところ米国の突然の加盟に対する懸念である。これは日本に戦後一貫する政治思想を浮き彫りにしている。1970年代初め、日本は中米の国交正常化の流れがひっくり返ることはないと分かると、急いで米国よりも先に中国と国交を正常化し、中日友好の20年近くにわたる「黄金時代」をもたらした。

今、世界の政治経済情勢には根本的な変化が起きている。AIIBから「一帯一路」構想まで、中国が主導する世界経済新秩序がすでに形作られている。AIIB以外にも、シルクロード基金や新開発銀行(BRICS銀行)もある。特に、今回の「一帯一路」国際サミットフォーラムで、中国はシルクロード基金を1000億元増額し、「一帯一路」に資金的支援を提供することを表明した。

改めて日本を見てみる。日本はかつて5年間で1100億ドルを出資して中国とアジアインフラ市場を争うと言っていた。中日両国の東南アジア高速鉄道受注競争で、日本は得るものがあったと言っていいだろう。しかし、日本の単なるカネのばらまきによる競争は、中国のAIIBやシルクロード基金などによる多角的でメカニズム化した融資プラットフォームと比べ、持続可能性に欠ける。  

アジアからアフリカまで、ひいては日本や欧州でも、大規模なインフラ整備を通じて新経済周期の経済振興を行う必要がある。米国であっても、減税と中国からの直接投資導入を通じて米国のインフラ整備を行うことが必要だ。このような市場の大勢は、一国が単独で行うモデルは時宜に適わず、AIIBのような新型グローバルガバナンス機関が新経済周期の世界的インフラ整備を主導する必要があることを決定づけている。

AIIBが集める資金の規模はますます大きくなっている。AIIBの金立群総裁によると、AIIBはすでに資本金(1000億ドル)の2.5倍の貸付を授権している。「これは、AIIBが非常に堅固な基盤を築ければ、資本金を追加しなくても2500億ドルの貸付を行えることを意味している。これは世界銀行の現在の規模に相当する」。

定石通りの手を打たないトランプ大統領は、いつ米国のAIIB加盟を決めてもおかしくない。こうした情勢の下で、日本は心配で気が気でなくなり、矛盾した態度を見せている。自民党の「ナンバーツー」である二階幹事長はAIIB加盟に前向きだ。それに対し安倍首相の「(外部の)疑問点が解消されれば、前向きに考える」という発言は、いかにもあいまいではっきりしない。そして菅義偉官房長官はAIIBに対し依然として懐疑的だ。16日午前には、「AIIBが発足当初から、ガバナンスが公正なものを確立できるのか、環境、社会に対する影響への配慮が確保されているのか、運用を注視していくと申し上げている。そのことにまったく変わりはない」と語っていた。

公開性や透明性、運用の公正さ云々と言っているところに、米国に先を越させることはできないし、自国のメンツも心配だという日本の矛盾した心情が表れている。日本はカネには事欠かないかもしれないが、地域や世界への帰属感は不足している。オバマ政権時代、米国に次ぐ影響力を存続させるため、日本は地政学や地縁経済(TPP)で全力を挙げて米国と歩調を合わせてきた。だがトランプ大統領の就任にともなって、全てが絵空事と化した。中国が主導する世界経済秩序が形成されつつあり、中国のプランが世界に受け入れられようとしている。

日本にとって、高齢化、財政収入激減、産業空洞化といった日本社会経済が直面する多くの長期的課題を解決するには、「アベノミクス」では内発的活力をもたらすことができず、日本は依然として広い外部市場を必要としている。AIIBは日本に実行可能なプランを提供した。AIIBを拒否することは、日本の利益に適っていない。(張敬偉:中国人民大学重陽金融研究院客員研究員)

「北京週報日本語版」2017年5月19日

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