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2017年の世界金融市場に存在するリスク
譚小芬  ·   2017-01-03
タグ: 世界経済;金融市場;経済
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政治面では、欧州が政権交代のピークを迎える。3月にオランダ議会選挙、4~5月にフランス大統領選挙,9月にドイツ連邦議会選挙が行われる。同時に、3月にはイギリスの「EU離脱」手続きが開始される。政治上の不確定性は投資家のEUとユーロの安定性に対する見通しに影響し、世界でリスク回避の機運が高まるかもしれない。

経済面では、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和政策の副作用が表れており、欧州銀行業の不良債権問題は依然として深刻だ。米、日で不良債権率が2009年をピークに下がり始めているのに比べ、欧州の銀行の平均不良債権率は上がり続けている。2016年の欧州各主要銀行株の下げ幅は平均10%を超え、不良債権率が高く、銀行の利益力が下がり、欧州の銀行システムの脆弱性が表れており、欧州経済回復の足を引っ張るだろう。

最後に、主要経済体の通貨政策には分化現象が見られる。米国は利上げサイクルに入ったが、他の主要経済体は依然として金融緩和状態が続いている。日本の中央銀行は通貨政策枠組みを調整し、長期金利をほぼゼロに抑えている。欧州中央銀行は債券購入計画を2017年年末まで延長した。2017年にFRBの利上げ回数が見通しを上回るようなことになれば、ようやく回復してきたコモディティ価格を抑え込むことになるだろう。

このほか、新興市場国もより大きな資本流出と通貨安の圧力にさらされており、米国の利上げは新興市場国の通貨政策と実体経済に打撃を与えるだろう。さらに資本流出によって中国の外貨準備が減り続ける事態となり、人民元レートにとっても安値圧力となる。メキシコやトルコなども、資本流出と通貨安圧力によって利上げに踏み切った。

以上を総合すると、2017年、不安定要因によって世界金融市場はさらに激しく変動すると見られ、世界経済には依然として大きな不確定性が存在する。  

( 譚小芬:中央財経大学国際金融研究センター)

「北京週報日本語版」2017年1月3日

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