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シノペック地熱プロジェクト、暖房による温室効果ガスのゼロ排出は夢ではない
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本誌記者 鄧亜卿 · 2016-10-18 |
タグ: 地球温暖化;温室効果ガス;経済 | 印刷 |
氷河融解、海面上昇、山火事など、地球温暖化による現象は世界から注目を集めている。
周知のように、温室効果ガスの一大発生源は石炭や化石燃料の燃焼である。冬の石炭暖房によって深刻なスモッグが発生するだけでなく、大量の二酸化炭素(CO2)が排出される。中国石油化工(シノペック)新星公司が作り上げた「雄県モデル」は中国で地熱暖房の模範となり、河北省雄県を中国初の「無煙都市」にした。2006年から、中国石化新星公司はアイスランドのオカ・エネルギー・ホールディングスと協力して中国で地熱資源を開発している。ここ十年来、河北省、山東省、陝西省、江蘇省、天津市など30余りの直轄市・県で業務を展開し、地熱暖房供給能力は2300万平方メートル余りに上る。
河北省雄県にあるシノペックの地熱暖房設備 (撮影 鄧亜卿)
ところで、地熱資源とは一体何だろうか。地球内部では、深ければ深いほど温度が高くなる。マントルの温度は1000~3700度で、地核の温度は4500~6000度。地球に貯蔵されている地熱エネルギーは実のところ化石燃料より多く、世界中の石油・ガス資源によるエネルギーの5万倍に相当する。
中国も地熱資源が豊かな国である。通常の地熱資源は深さ200~3000メートルの中低温が中心だ。中低温伝導地熱資源は主に中国中東部の堆積盆地に分布し、中低温対流系地熱資源は主に広東省、福建省などの東南部沿海地区に分布する。また高温対流地熱資源は雲南省、四川省、チベット自治区、台湾地区に分布している。
高温地熱発電によるCO2の排出量は1度当たり約120グラムで、石炭発電によるCO2の排出量(1度当たり平均936グラム)を大きく下回る。従来のボイラー暖房と比べて、地熱暖房はCO2排出量を少なくとも50%削減可能だ。ヒートポンプに必要な電力が再生エネルギーによるものであれば、CO2排出量を100%削減することができる。データによると、エネルギー消費構造において、地熱利用が1ポイント上がるごとに、標準炭約3750万トン分のCO2排出量に相当する約9400万トンが削減されることになる。
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