ある国が公共の年金資金の50％を株式市場につぎ込み、512億ドル（約5兆2500億円）の巨額の損失を出したとすれば、損失率は3.8％にもなる。損失はこの国にとって巨大な試練であり、人々は未来の「収益」が心配になって手に汗を握らずにはいられない。これは実話だ。日本の安倍晋三首相は自身が誇る経済活性化策「アベノミクス」の下、大きな「賭け」に出て、年金資金の株式参入比率を大幅に引き上げ、惨憺たる結果を招いた。安倍首相は「賭け」に負け、日本国民を不安に陥れ、「アベノミクス」の先行きをさらに見通しにくいものにした。新華網が伝えた。

安倍首相は大胆にも年金基金を経済成長を促進する「原料」にしようとしたが、日本国民を不安に陥れる事態を招いてしまった。今日のような結果は、安倍首相が政治的な「賭け」に打って出たことの結末であることは間違いない。

年金資金の株式参入比率を大幅に引き上げることについては、朝野を問わず日本中で冒険ではないかとの声が上がっていた。だが安倍首相は自分の考えを通し、議論を力でねじ伏せ、今日ような結果をもたらした。専門家は、「これは国民の年金という公的資金に関わることでありながら、政治家の自信や自負に基づいて話が進められ、それ自体が巨大なシステムリスクを招きやすいものだった」と話す。

安倍政権がこのような挙に出たのは、日本経済と株式市場に対する強い自信があったからだが、円高や株式市場の低迷を受けて、基金は巨額の損失を被った。日本の年金基金は過去5年間で初めて赤字になり、損失額はグローバル金融危機の頃の2008年と07年に次ぐ数字になった。近年、日本経済が長期的低迷に陥っているのに加え、これほど巨額の年金資金を株式市場に投入して、今また巨額の損失を出した。人々は未来の「収益」に対する不安で手に汗を握っている。