交流・協力を深化させて澳門の囲碁の発展を促進する
澳門の囲碁界には次のような共通認識がある。それは、もしも内陸部の囲碁界の大きな助力がなければ、澳門の囲碁は決して現在の発展水準に達しなかったということだ。
復帰当初、囲碁を教える教師が極めて少なく、澳門囲碁会は普及教育で往々にして力不足だった。当時、澳門に近い広東省の汕頭市、中山市などの囲碁協会は自ら進んで手を差し伸べ、内陸部での囲碁学習のために多くの澳門の青少年を受け入れた。
1995年生まれの沈彦亨は小学生の時に、澳門囲碁会による囲碁の集中学習に参加し、汕頭市で1カ月の育成を受けた。その時の体験を振り返り、沈彦亨は自身にとってたくさんの収穫があったと考えている。「1カ月というごく短い期間に、私の囲碁に対する態度は大きく変わりました。汕頭市の囲碁クラスで、内陸部の同じ年頃の人の驚くべき実力や、現地の先生たちの心のこもった指導を目の当たりにして、囲碁に対してよりハイレベルなものを求める気持ちを呼び覚まされ、囲碁の達人となる決心も定まりました」。
2017年7月、澳門大学代表としてアジア大学生囲碁選手権大会に参加する沈彦亨(写真=澳門囲碁会提供)
現在、澳門と内陸部の囲碁界の交流はより深化し、頻繁なものとなっている。青少年の育成のほか、澳門囲碁会は毎年定期的に集中育成チームのメンバーを集め、内陸部の棋院や囲碁協会へ赴いて集中的に育成・学習を行っている。
しかし、澳門の棋士たちは、世界の高いレベルに比べると彼らの囲碁レベルはまだ大きな差があることもはっきりと認識している。それでも張熙源は依然として自信に満ちている。「澳門には現在プロの段位の棋士がいませんが、10年以内にきっと1人の実力のあるプロ棋士が育ってくると信じています」と彼女は語った。