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ノーベル賞を「量産」する日本、その秘訣は?
  ·   2019-06-28  ·  ソース:人民網
タグ: ノーベル賞;科学技術;文化
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連携協力を提唱、論文至上主義ではない評価 

「また、日本の科学研究は連携協力を極めて重んじている」と宮氏は語った。宮氏はさらに、「私が所属していた化学研究所分子微生物学研究室でも、全体的な研究方向を指導教授が決め、学生はその方向性に沿って自分が重点研究するテーマを探す。各人の研究成果は研究チーム内で共有され、良い実験方法があればすぐに研究室全体に広まる。研究チームには整った科学研究体系が形成されており、相乗効果が生まれ、目標とする方向性において飛躍的な進歩を遂げることもしばしばだった」と述べた。

宮氏は、「チーム内で協力するほかにも、日本の学者たちはチームを跨ぐ連携も非常に重視している」と語った。宮氏の説明によると、京都大学では工学部や医学部、農学部、研究所など異なる部署の微生物研究に携わる課題チームが毎年集まって研究発表会を行い、各チームの教授が自身の研究方向性と成果について発表を行っている。研究発表会開催後のパーティーでは、参加者がともに議論して研究成果を共有し、機会があれば協力を展開する。こうした研究の方向性を跨ぐ学際的交流によって、飛躍的な研究成果が生まれる可能性が高いという。

「さらに重要なのは、日本の科学研究に対する評価が論文・特許至上主義ではなく、科学研究能力と成果のアウトプットを重視し、しかもそのために比較的公正で厳格な評価メカニズムを確立している点だ」と宮氏は言う。宮氏の紹介によれば、京都大学博士課程の卒業基準を例に取ると、学生は日本語の論文を1本書いただけでも卒業申請をすることができる。研究成果が卒業要件を満たしてさえいれば、指導 教授 の同意を経て口頭試問の申請をすることができる。教授委員会が卒業論文を審査した後、学部全体の30-40人の教授が口頭試問の査定に参加し、投票を行って、学生が卒業して社会に出ていけるかどうかを決定する。

「連携協力のほかにも、日本の厳格な『匠の精神』は科学研究においても極限まで発揮されている」と宮氏は言う。日本の学者は科学研究の細部を重視し、細かいところまでつきつめることを好むという。宮氏は、「私の指導教授を例に取ると、私が最初に転移酵素について研究していた時、良い結果を得られたと思ったのだが、指導教授は私が何度か実験を行った際のデータの細かな違いに目を止めた。実のところそれは実験器具もしくは温度や湿度などの条件による誤差の可能性が高く、影響はそれほど大きくはなかったが、指導教授はあくまで再度実験を行って誤差の原因を特定するよう要求した。周囲の日本人の学生たちも非常に小さな実験現象のために寝食を忘れ、徹夜で研究していた。こうした精神は非常に敬服すべきものだ」と語った。 (編集AK)

「人民網日本語版」2019年6月28日

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