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86歳の文化財修復士 「修復したように見えない」が最大の褒め言葉
  ·   2018-06-14
タグ: 文化財;壁画;文化
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文化財修復について語る李雲鶴さん

塑像の顔部分の修復には、現代の科学技術が導入されている。李暁洋さんはオーストラリアで装飾デザインを勉強しており、3D技術を用いて塑像の顔部分の構造図を描いた。しかし、修復は依然として一筆一筆手作業で行われており、眉の高さ、唇の曲線、顔の輪郭……これらは全て李雲鶴さんの手から一つ一つ現れる。 

「生涯を通して、さらには一家全員が文化財を修復している私は『文化財修復バカ』だと言えるのかもしれません。文化財と付き合っていく上では良いことも悪いこともありますが、期待もありますよ」。1956年、24歳だった李雲鶴さんは山東省の実家で暮らしており学校を卒業したばかりで、国の呼び掛けに応じて西北へ向かった。本来の目的地は新疆ウイグル自治区だったが、道すがら敦煌研究所に勤めていたおじさんに一目会いに行こうと思い敦煌市に留まり、それから62年経つ。 

李雲鶴さんが誇りに感じている出来事がある。中国で有名な寺院の壁画を修復した際、大胆にも全体を剥がし取り壁を築いて元の位置に壁画を貼り付けるという難易度の高い修復技法を用い、一切損傷させずに修復を成功させた時のことだ。寺の僧侶が壁画をじっと見つめて不躾にも「李先生、修復がなされていないように見えるのですが、以前と変わりありません」と言った。しかし李雲鶴さんは却って大喜びし、「それは最高の褒め言葉です!」と僧侶の手を握りしめた。その瞬間、以前と変わらぬ姿に修復できたことへの達成感が沸き起こった。「文化財を生き返らせることはできません。いかなる『病』に侵されていたとしても、修復は現状維持を守り通すべきなのです」。 

「北京週報日本語版」2018年6月14日

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