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世界遺産登録の歓喜の中で考えるべき長期的保護の課題
  ·   2017-07-11
タグ: 世界遺産;鼓浪嶼;文化
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鷺江海峡を隔てて互いに引き立て合う鼓浪嶼の歴史的居留地と対岸の現代的建築物(新華社記者 姜克紅 撮影) 

7月8日、ポーランドで開催されていた第41回世界遺産委員会から吉報が届いた。中国青海省のフフシル(可可西里、「ココシリ」とも呼ばれる)と福建省の鼓浪嶼(コロンス島)が7日と8日、世界自然遺産と世界文化遺産にそれぞれ登録された。中国の世界遺産数はこれで52件となった。 

世界文化遺産には、ある国の文化独自の魅力を証明できる代表性が求められる。しかし、世界遺産の登録申請と審査の根本的な主旨は、文化遺産の保護を推進し、各国独自の文化の多様性と持続可能性を守ることである。別の側面から見ると、これは自然生態や伝統文化が現代文明の打撃を受けやすく、厳しい生存危機に直面する可能性があり、より多くの特別な保護を必要としていることの反映でもある。 

ここ数年、中国が推進してきた世界遺産登録申請プロジェクトは全て遺産に対するさらなる保護をベースにして行われてきた。フフシルのチベットガゼルはかつて乱獲され、フフシルの人々は何世代にもわたって密猟防止のために心血を注ぎ、命すら犠牲にしてきた。1997年、フフシルは中国初のチベットガゼル保護を目的とした国家級自然保護区に指定された。また鼓浪嶼は世界遺産登録申請のために10年を費やし、島にあった大量の商業的要素や建築物を整理し、もともとあった建築物に対して系統的な保護を行った。 

世界遺産登録申請の成功が第一にこうした遺産保護に対する十分な肯定であり、同時に長期的保護のコミットメントでもあることは容易に見て取れる。しかし、世界遺産保護が直面している現実的苦境にも目を向けるべきだ。世界遺産登録申請が一貫して観光に関する知的財産権のためのゲームだと非難されてきたのは、世界遺産登録申請の背後に商業利益がはっきりと見て取れるからだ。遺産の保護と利用はもとより矛盾したものではないが、まずは保護ありきで、利用はその次でなければならず、そうして初めて目先の利益ばかりを考える短期的効果を避けることができる。この点に関して、中国には戒めとなるような事例が数多くある。この20年で、国内の廬山、麗江古城、雲南三江併流、張家界など多くの世界遺産に指定された場所が名指しされ、警告を受けてきた。張家界は世界遺産というブランドを守るために、10億をかけて景勝区内の建築物34万平方メートルを全て撤去した。 

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