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中国アニメ業界に「中国らしさ」の風
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· 2017-06-23 |
タグ: アニメ;映画;文化 | 印刷 |
アニメの分野では、ある時期から日本アニメのスタイルを模倣したものや、ハリウッド大作路線を取るものが増えた。かなりの興行成績を収め、視聴率的にも超人気作品になったが、こうした作品にははっきりとした「中国らしさ」が見られなかった。こうした現象を変えるため、アニメ業界では、近年中国らしい作品を制作する試みが絶えずなされている。美術設計では、『大魚海棠』(英語タイトル『Big Fish & Begonia』又は『Big Fish& Chinese Flowering Crabapple』)が水墨画風の作画や福建省の客家土楼といった要素を用いて、中国らしい夢幻の境地を細やかに表現した。『少年師爺』は紹興出身者から成るチームを起用し、古色蒼然とした紹興の町を江南水郷の画面で再現した。テーマ設定では、『大聖帰来』の孫悟空は「正義のために命を捨てる」信念を持ち、「苦難を経て再びよみがえる」という独自の成長過程をたどる東洋風ヒーローであり、アメリカン・コミックスにおける「能力が大きければ責任も大きい」ヒーローとは明らかに異なっている。
「中華文化遺伝子の伝承」が目指すのは、まさに「中国らしさ」の構築と民族文化の伝承である。2016年に制作された中国アニメ作品の長さは計12万5000分に及ぶが、そのうち中国をテーマにした作品はそれぞれ特徴を持っている。例えば、『中国巧姑娘之黄道婆』や『孟子学堂』は伝統文化を発揚し、『小済公』や『百鳥衣』は民間に伝わる物語を題材にしている。しかし、「中華文化遺伝子の伝承」という期待を前にして、中国アニメが「中国を伝える」ために取り組むべきことは非常に多い。文学作品や伝統演劇脚本、神話・伝説は物語の宝庫であり、壁画や皮影(影絵芝居)、剪紙などから無限の美的インスピレーションが得られる。中国アニメの創作者がそこから「中国を伝える」題材を掘り起し、磨き上げ、アニメのイメージに転化できる可能性は大いにある。
アニメは文化である。だから私たちは豊富で多彩な各国の作品を目にすることができる。アニメは産業である。だからハリウッドや日本のアニメ産業は注目を集めている。アニメで「中国らしさ」を伝えるには、良いストーリーと良い作品があった上で、さらに良いマーケティングが必要だ。アニメ産業の発展には、緻密で正確かつ専門的なマーケティングによって、関連グッズなど関連市場の売上が作品創作に還元されるような良いサイクルを作り上げなければならない。そして関連グッズの開発には、アニメの助成政策を制作量ベースの助成から優れた作品に的を絞った助成へと転換することが必要であり、版権保護など法規制度も早急な改善が求められる。
「子供と一緒に宮崎駿のアニメ映画を観に行って、子供に良いものを好きになってもらう」。日本では、宮崎駿が作り上げた、耽美的で、シンプルで、平和で、美しいアニメの世界が世代を超えた共通の記憶になっている。中国らしさを伝えるアニメ作品は、私たちの生活においても同じように世代を超えて受け継がれ、共感を呼ぶことができるだろうか?答えはイエスだ。真にアニメを愛し、真にアニメを理解し、長い間努力を続けていけば、中国アニメをめぐっても同じような光景が見られるようになるに違いない。
「北京週報日本語版」2017年6月23日
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