――最近の中日関係に起きた積極的な変化について、日本のメディアは、さまざまな評価をしていますが……
程 近年、日本には釣魚島や靖国神社の問題において誤った動きがあり、中日関係は国交正常化以来最も厳しく困難な局面に直面しました。昨年11月、双方は中日関係の処理と改善に向け、4項目の原則的共通認識に達成し、今後の両国関係改善と発展のための決まりを打ち立てました。これを踏まえて、両国指導者が北京で開催されたAPECの会期中に会見を実現し、両国関係は改善の方向に向け、重要な一歩を踏み出しました。今年に入ってから、中日両国の政府間の協議対話と各分野の協力交流は逐次に回復しています。4月に習近平主席はジャカルタで安倍首相と再度会見をし、両国関係の改善と発展に新たな原動力を注入しました。5月に、習主席は中日友好交流大会に出席して重要演説を行い、両国関係の改善と発展に対する中国側の積極的な姿勢と誠意を見せ、両国関係の長期的な発展の方向をはっきりしました。両国関係が紆余曲折を経て今日の成果を得られたのは容易なことではなく、共に大切にし、維持していくべきです。中日両国はアジアと世界にとって重要な国であり、両国の平和、友好、協力は双方にとって利益にかなうものです。双方は友好的交流と協力を強め、中日関係のさらなる改善と発展に努力するべきです。
ある調査によると、約80%の中日の一般市民が自国メディアの報道で相手国のことを知るという結果が出ています。メディアは中日両国と両国人民の相互理解における重要な懸け橋のひとつであり、情報化時代の今、国民感情を改善し、両国関係の発展促進に大きな影響を持っていることから、重大な責任をも背負っています。日本のメディアの中国に関する報道の基調は、日本の一般市民がどのような「中国感」を持つかに直接影響し、もし「色眼鏡」で中国を見れば非常に有害です。最近、日本のメディアは中国の南海問題を大げさに報道し、一部分のメディアでは明らかな選り好みや偏向が見られます。これは個別の国家の主張だけを過度に報道し、中国の主張を報道しないものであり、日本の民衆を著しく惑わせ、公平、公正というメディアの精神を完全に失っています。両国メディアには客観的、全面的かつバランス感覚を持ち、社会的責任と職業としての良心をもって、国民が相手国を客観的に理解し、理性的に見る助けとなるような報道をし、両国の国民感情改善のため、また中日関係の長期的、健全かつ安定的な発展のために、しかるべき役割を発揮していただきたいと願っています。
――新たな歴史のもと、中日の戦略的互恵関係と中日友好を共に発展させるためには、どうすればよいのでしょうか。
程 今年4月に習主席がジャカルタで安倍首相と会見した際、両国の戦略的互恵関係を推し進めるための四つ目の政治文書について特に提起し、「中日両国は互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」「互いの平和的な発展を支持する」ことが広範な社会の共通認識に転化していこうと強調しました。習主席はまた、5月に行われた中日友好交流大会における演説で、中日友好事業は両国と両国人民にとって有益であり、アジアと世界にとって有益であり、大切にし、心から守るべきであり、たゆまぬ努力を継続すべきと指摘しています。習主席の一連の表明は、中国が中日関係を積極的に改善し、発展させる善意と誠意を十分に示しています。まさに習主席の言うように、中国側はずっと中日関係の発展を極めて重視して来ており、日本と共に歩み、両国の善隣友好協力を推し進めることを望んでおり、両国の交流と協力の拡大と深化を通じ、両国人民にさらなる利益をもたらすことを願っています。中国政府は両国の民間交流を支持し、両国の各界人士、特に若者が中日友好事業に積極的に身を投じることを奨励しています。私たちは両国人民が堅く友好の信念を持ち、積極的に行動し、双方の友好交流と協力を強化し、中日関係の改善と発展にプラスとなるエネルギーをいっそう積み重ねていくよう期待しています。
当面の状況の下で中日の戦略的互恵関係と中日友好を発展させるには、以下の数点が特に重視に値すると思われます。
第一は、平和的友好協力という大きな方向性を一貫して堅持することです。中日両国はお互いにとって重要な近隣であり、アジアと世界においても重要な影響を持つ国です。中日関係の長期的、健全かつ安定的な発展を維持することは、両国と両国人民にとって根本的な利益に合致し、地域と世界の平和と繁栄に資するものです。
二つ目は客観的、理性的な相互認知を樹立することです。中日両国の国力の対比に変化があったことで、近年、日本国内では「中国脅威論」が頻ぱんに聞かれるようになりました。日本の各界においては、客観的に今日の中国の全体像をつかみ、把握した上で、正確に認識し、理解して中国の発展に対応し、中国の発展を真のチャンスと見なし、中国と共に互恵、ウインウインの道を歩んでいただきたいと思います。
三つ目はお互いに関心を寄せあい、重大かつ敏感な問題を適切に処理することです。中日間には歴史や領土などの重大かつ敏感な問題が存在しますが、これらの矛盾や食い違い自体は決して恐れるべきではありません。双方が中日の「四つの政治文書」と「4項目の原則的共通認識」を着実に維持して遵守しさえすれば、両国関係の発展という大局において、何ら妨害されることはないでしょう。
この数年の中日関係において発生した曲折は、もうひとつの、汲み取るべき深刻な教訓があります。それは「守信(信を守る)」という問題です。現状で中日両国が直面している問題は全て新しい問題ではなく、どのようにこれらの問題を解決するかについて、双方はかつて共通認識や了解に達していましたし、関連するルールを定めておりました。その内容は「四つの政治文書」と「4項目の原則的共通認識」に明確に記述されています。双方が約束を守り、関連のルールを遵守しさえすれば、中日関係は着実に発展することができます。その逆ならば、両国関係には曲折が生じることになります。これも長年の中日関係の発展過程における規則的な現象です。中日国交正常化交渉の際、周恩来総理は田中角栄首相に「言必信、行必果」(言は必ず信ずる、行いは必ず果たす)と言い、田中首相はそれに「信乃万事之本」(信は万事の本なり)と答えました。両国の先輩指導者はこのように「守信」を重視し、理解していたのです。日本が確実に「守信」を重んじ、歴史を鑑として未来に向かうという精神にのっとり、中国と向かい合って進み、相互信頼を積み重ね、構築し、中日関係を長期的に安定して発展させるために努力することを願っています。
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