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「魯迅の階段教室」 |
中国人なら仙台を誰もがよく知っている。高校の国語教科書で、魯迅作「藤野先生」に登場する仙台の名を知る人は多い。仙台を訪れた中国人は、東北大学(仙台市青葉区)に来るととりわけ親しみを感じる。仙台市民の中国人に対する友好感情は特別で、これも魯迅と仙台の縁に起因する。中国共青団(中国共産主義青年団)中央の機関紙「中国青年報」が伝えた。
東北大には魯迅の足跡が深々と刻まれている。キャンパス内には魯迅像、魯迅記念展示室があり、魯迅がかつて講義を受けた「魯迅の階段教室」も保存されている。また魯迅に関する品々の数々も残されている。中国外交部新聞団として訪日した記者は、藤野先生が筆を入れた魯迅のノートを目にした。当時の藤野先生の真摯な指導の様子が感じられ、敬服した。
仙台市民は魯迅について、「魯迅は仙台の誇り」と語る。魯迅は仙台にとって初めての留学生であり、最も影響力のあった中国人留学生だった。そして何より、魯迅の批判精神と洞察力は、日本社会が自己分析する力の源泉となった。
同大教授の哲学者・野家啓一(のえ・けいいち)氏は、「東北大には今なお中国と非常に強い結びつきがあります。本校に留学中の中国人学生は805人で、全留学生の約半数を占めます。東北大は中国人留学生のために特別に『魯迅記念奨励賞』を創設し毎年、人格・学業ともに優れた中国人留学生4人を表彰しています。また本校の『魯迅賞』は、日中文化教育交流に貢献した中国の方に授与されてきました」と語る。
中日友好の源は民間にあり、中日関係の未来は青少年にある。今年は「中日国民交流友好年」であり、訪日留学・観光をする中国人は増え続け、両国民、とりわけ若い世代の理解と感情を必ずや深めることだろう。魯迅の足跡を辿ることで、中日友情の絆を強める人が増えるのは間違いない。(編集HT)
「人民網日本語版」2012年4月12日 |