中国人民抗日戦争記念館(北京)の李宗遠副館長は2日、中国共産党機関紙「人民日報」のニュースサイト「人民網」を訪問。今年は中日国交正常化40周年に当たることを機に、中国の愛国主義教育と正しい対日観をテーマに自らの考えを語り、「21世紀に入ってから、日本の指導者が両国関係を妨げるような行為をしてきたが、中国側は依然として大局を見据え、関係発展に努めている」と指摘した。「人民網」が報じた。
李氏のコメントの要旨は以下の通り。
日本の政治家などの一連の言動が両国関係をぎくしゃくさせている。例えば、日本の政治家が戦没した日本の軍人やA級戦犯を祀る「靖国神社」(東京)を参拝したり、日本の侵略などの歴史的事実の認識をめぐる記述の表現や量に関する「歴史教科書問題」が発生したり、さらに政治家の中国侵略を否定するような発言があったりと、中国人の感情を傷つけている。これは歴史に対する一種の否定と言える。そのため、今という観点から見て、日本は真剣に歴史と向き合わなければならない。日本側と意見交換を行う際、歴史に対する謝罪を共同声明に盛り込むよう我々も提案してきたが、これだけではまだ不明確だ。日本はもっと明確な方法で中国人に対して謝罪をしなければならない。次に、日本国内でも中国侵略戦争の罪を徹底的に清算しなければならない。そのようにして初めて日本の侵略を経験した国やその国民の信頼を勝ち取ることができる。相互信頼を築かなければ、あうんの呼吸や良好な基礎は生まれず、両国関係の発展を推進することもできない。
我々は日本との交流の過程で、中日両国は一衣帯水の隣国で、この客観的な事実は、誰にも変えられない、とよく話す。では、どのようにすれば中日関係を改善することができるのか。それは、まず歴史問題をしっかり解決する必要がある。今年の中日共同世論調査などでも、中国の国民は特に歴史問題に注目していることが分かっている。なぜかというと、日本の政治家や中心に立つ人物が、歴史に挑戦を投げかけるような言動を度々しているからだ。そのため、わたしは中国の立場から、日本にこの問題を解決するよう求めたい。
全体的に見れば、我々は国交正常化以降、前を向き、両国関係の健全かつ平和的・友好的な発展を望んできた。国交が正常化した1972年から今に至るまで、中国の指導者が中日関係の発展に不利になるような発言をするところを見たことがない。一方、日本にはそのような発言をする指導者・政治家がおり、実際の行動によって両国の友好関係を破壊している。
特に、2001‐06年まで首相を務めた小泉純一郎氏は、6年連続で靖国神社参拝を行い、中日関係を凍結させた。このようなことは中日関係の発展史上では全く見られなかったことであったため、中国の指導者らもその問題解決のために力を注いだ。1972年から、中日両国の指導者は関係発展のための道を切り開いてきたのに、21世紀に入ってから、日本の指導者がその道を閉ざすような行為をしてきた。それでも我々中国は大局を見据え、氷を砕き、溶かしながら関係発展に努めている。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年7月4日
|