野田政権は1月29日、39の離島の名称を内定したと発表した。日本による離島への命名の取り組みは決して単なる言葉遊びではなく、改めて「主権を宣言」し、海の囲い込みを行うためのものだ。これが賢明でない行為であることは明らかだ。9日付シンガポール紙・聯合早報が伝えた。
離島の命名作業を積極的に推し進める理由について、日本政府は「新たな海洋立国」という大戦略を推し進め、「離島法制」化という目標を実現するためと説明している。
いわゆる「新たな海洋大戦略」とは、海洋からより多くの資源とより大きな空間を得ることに他ならない。民主党は政権獲得後、自民保守政権の国策を全面的に継承したばかりか、対外拡張の「新成長戦略」を、自民党政権に輪をかけて積極的に推し進めてきた。中でも刮目すべき新たな動きは、離島への命名、島の奪取、海の囲い込みなどの戦術によって、海洋で新たな辺境を開拓し、「新たな海洋大国」化を企てていることだ。
一気に39の無人の離島に「命名」(これまでに59島に命名)する野田政権の行為が、島を奪取し、海を囲い込もうとするものであることは明らかで、平和な時期においては異常な行為と言えるかもしれない。このことから、野田政権にとっては「一石三鳥」の措置だと指摘する政治アナリストもいる。第1に不安定な状況にあり、内政で成果を上げられない野田政権は、強硬外交へと梶を切っている。特に領土紛争は国内の不満をそらすのに最適だ。第2に海洋問題で虚勢を張ることで、声望を高めることができる。第3に民主党政権発足後の日米関係改善、米国の「アジア回帰」戦略への助力になるのだ。
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