理論的には、中国医学は陰陽五行を理論基礎とし、人体を気、形、神の統一体だと見なす。「望、聞、問、切」の4種類の診察により総合的に診断を下す「四診合参」の方法で病因を判断する。中薬、鍼灸、推拿やマッサージ、吸い玉、気功、食事療法など多くの治療手段を用いて、人体を陰と陽が調和した状態に導き、回復させる。
西洋医学では、医師は先進的医療機器設備と実験室の助けを借りて疾病に対する診断を行うことが多い。西洋医学の病気治療には主に西洋薬治療、手術治療、レーザー治療、化学治療などがある。西洋薬は一般に化学合成法を用いるか天然産物を精製して作られる。
20世紀初頭、清朝末期に、現代医学(西洋医学)は西洋列強の銃と大砲とともに大量に流入し、国運は衰弱し、ひどく打撃を受けた。この時期に、中国医学を存続させるか否かに関する議論が初めて出現した。中国医学に反対を唱えた人の多くは当時の著名な学者であり、例えば梁啓超など、多くが西洋の学問を学んでいた。これ以降、存続か廃止かの論争はやむことなく続いている。
1929年、当時の中華民国政府であった国民党政府は「全国中医薬連盟」代表200名余りの請願を受け、やむを得ず中国医学を禁止する一切の法令を撤廃した。中国医学界も3月17日を「中国国医節」に定めている。
1966年から始まった10年におよぶ「文革」期間中、中国医学は「四旧」と見なされ、再び深刻な打撃を受け、「文革」後にようやく再び発展の余地を得た。1982年に発布された「憲法」第21条は、特に「国は医療衛生事業を発展させ、現代医薬と我が国の伝統医薬を発展させる」と明記し、中国医学に西洋医学と同等の地位を与えた。
私の見るところ、これは始めから勝敗がつかないことが決まっている対決だ。「脈診による妊娠判定率」が80%より低かったとしても、中国医学が人類の病気によるつらさや苦しみの解決に何一つ益するところがないということにはならない。中国医学か西洋医学のどちらか一方だけが本当の医学だとする認識は主観的な独断であり、偏っている。このような結論を出すのは、自分の支持する医学をきわめて理解しているからではなく、むしろ反対に、一知半解かまったく理解不足であるからである。
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