新エネルギー車を例に挙げると、中日、中韓間では水素エネルギー車と水素燃料電池の研究開発協力が行われています。
韓国の現代自動車は清華工業開発研究院と1億ドル規模の水素産業ファンドを立ち上げ、現代自動車にとって初の海外における水素燃料電池システムの研究開発、生産、販売拠点も中国に設けられました。
今年、西側のシンクタンクが44の先進技術分野を調査したところ、韓国がトップ3の座を占めている分野は六つにとどまることが分かりました。
新たなテクノロジー革命の中、韓国と日本が新技術においてトップレベルの地位を築くには、アジア太平洋圏の生産圏と消費圏に溶け込む必要があります。
詳細その3:地域の平和と安定、繁栄への貢献の強調
このたびの高官会談では、中日韓は地域の平和と安定、繁栄に新たな貢献をすべきことで一致したという一文が強調されています。
この文を強調する理由には、ある国が常に策動の機会をうかがい、この地域の安定を望まないという背景があります。
今年の8月、米国主導で、米日韓は初の3カ国首脳会談を開催しました。この会談で、米日韓は新しい軍事協力に合意し、アジア太平洋の安全保障問題について中国を名指しで批判しました。
米国に追随してアジア太平洋地域に戦火を招くことは、明らかに韓国と日本の根本的な利益に合致していません。
周辺国の安全保障問題の専門家である楊丹志氏は、中日韓は歴史上、伝統的なつながりを持っており、実際に経済面などで非常に密接に協力していると述べ、日本と韓国も地域の安定と繁栄の観点から問題を考えることがあると指摘しています。
問題は、なぜ今なのかということです。
今年以降、世界中で地域間の協力が新たな段階に入っています。
サウジアラビアとイランの関係改善からアラブ連盟へのシリアの再加盟まで、中東地域はこれまでにない団結を実現しました。今年のアラブ連盟首脳会議では、参加国が地域の平和と安定、発展と繁栄について話し合っています。また、ラテンアメリカ最大の国であるブラジルの中南米カリブ海諸国共同体への再加盟、ラテンアメリカ諸国の外部干渉に対する一致した抵抗など、この地域は「モンロー主義」を払いのけつつあります。
各地域を主導する力は、その地域の国々自身が持ってしかるべきです。中日韓の変化がこのような潮流に呼応していることは明らかです。
北米からヨーロッパ、東南アジア、中東に至るまで、世界中の各地域が分散から地域的な結びつきによる発展へと移行しています。
中日韓の新たな動向は、東アジアに新たなチャンスの到来を示唆しています。
「玉渊譚天」2023年10月7日