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中国はグローバル化の守護者に
  ·   2017-07-10  ·  ソース:
タグ: G20;グローバル化;政治
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ドイツ・ハンブルクで開催されたG20サミットにはテーマが2つあった。1つは相互に連結された世界の形成、もう1つは気候変動に関する「パリ協定」の支持である。前者の核心は保護貿易主義反対とグローバル化支持、後者の主旨は世界のグリーンで持続可能な発展の支持である。

しかし米国による反グローバル化と「パリ協定」離脱により、今回のG20サミットは「19:1」の様相を呈した。

先般行われたG20財務相・中央銀行総裁会議の声明に保護貿易主義反対が書き込まれなかったのとは異なり、今回のG20サミット声明にはグローバル化の利益共有が盛り込まれた。米国の離脱により、パリ協定には依然として論争が存在する。しかし、中国はサミット期間中、建設的かつ守護者の役割を果たした。中国と参加主要国は2国間会談を行った際(中米首脳会談の貿易重点は2国間のものだった)、グローバル化とパリ協定への支持を堅持した。

習近平主席は重要演説を行い、次のように指摘した。「杭州サミットは『革新的で、活力ある、連動した、包摂的な世界経済の構築』という主要20カ国・地域のプランを打ち出した。『相互に連結された世界の形成』をテーマにしたハンブルク・サミットは、杭州サミットと同じ流れをくんでいる。我々はこの理念を行動に移すべく共に努力するべきである」。習主席の演説は、中国が世界から新型グローバル化を主導する責任を与えられつつあることを示している。

欧州のアナリストたちも、欧州は脱米国を目指すと同時に、中国に秋波を送っていると分析する。実際、今回のG20サミットで、ドイツとフランスが主導するEUは中国や日本、BRICS諸国とともに、保護貿易主義に反対しパリ協定を支持する同盟を作ってトランプ大統領の「米国第一」に反対した。サミット開幕の前日には、EUと日本が経済連携協定(EPA)に大枠合意した。この経済連携協定の交渉は2013年に始まったが、日本は米国との環太平洋経済連携協定(TPP)調印をより重視していた。米国のTPP離脱という状況で大枠合意した日本とEUとの経済連携協定は、明らかに米国を念頭に置いている。  

世界の主要経済体のうち、中国が主導するグローバル化は、目標もあり実体を伴うサポートもある現実主義のグローバル化であり、しかも一国或いは国家グループ「第一」主義を脱却したグローバル化である。ポスト金融危機時代の転換期において、或いは新たな経済サイクルに対する期待が高まる中で、中国が主導する新型グローバル化はいっそう影響力を持つ。この新型グローバル化の核心的な足がかりは、1つにはより高効率なグローバル金融ガバナンス新秩序構築の積極的推進である。この新秩序を象徴するアジアインフラ投資銀行(AIIB)には米日を除く重要国がすでに加入し、AIIBは世界銀行と同様のグローバル金融ガバナンス機関になっている。もう1つは、中国の「一帯一路」構想、すなわち各関係国・地域における資本・生産能力プロジェクトにより、大規模なインフラ建設を通じ、中国と関連国・地域からなる運命共同体を築くことである。

保護貿易主義反対にしても、グローバル化支持にしても、虚構のスローガンや概念ではなく、実践によってグローバル市場の連結と世界各国の協力・ウィンウィンを実現するものだ。ここで指摘しておくべきなのは、米国はパリ協定を離脱し、トランプ政権が「米国第一」を追求してはいるが、米国は多国間主義を放棄しつつも、2国間貿易交渉によって米国と関連する国・地域との利益バランスを取ろうとしていることだ。欧州に目を転じてみると、EUはイギリスの離脱という痛みに直面し、内部にポピュリズムと右翼保守主義という政治リスクを抱えている。さらに難民の流入がもたらすテロリズムも欧州の新たな脅威となっている。このような情勢の下で、欧州が主張するグローバル化は勢いこそあるが実質的内容に欠けるため、中国にいっそう多くの期待が寄せられている。

グローバル化の守護者と新型グローバル化の牽引者として、中国が支持するグローバル化は政治条件を付加していない。この点において、中国のグローバル化は米日欧が主導する従来のグローバル化より純粋なのである。(張敬偉・チャハル学会高級研究員、中国人民大学重陽金融研究院客員研究員)

「北京週報日本語版」2017年7月10日

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