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ベルギー連続テロが浮き彫りにした欧州の脆弱さ
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· 2016-03-23 · ソース:北京週報 |
タグ: ベルギー;テロ;政治 | 印刷 |
ベルギーの首都ブリュッセルの空港と地下鉄で22日、連続して爆発が起きた。昨年11月のパリ同時多発テロ事件に続き、欧州の主要都市が再びテロで大打撃を受けた。数日前、パリ同時多発テロ事件の容疑者数名がブリュッセルで逮捕されたばかりだったため、今回の事件はテロリストの報復だと推測されている。しかし類似したテロ事件の動機は欧州ないしは世界にいくらでもあるだろう。ブリュッセルが不幸だったのは、ヒステリックな計画が現実になるのを止められなかったことだ。
欧州全体が、テロリズムが残虐行為をほしいままにする場所と化してしまったかのようだ。外から入り込んだテロリストと域内の過激派が代わる代わるここでテロ行為を働いている。EU統合はかなり進んだが、安全の統合はあたかも空洞のようで、高度に現代化された欧州もテロの前ではいかにも脆弱に見える。
米国は「9・11」同時多発テロ事件以降、国土の安全を強化し、テロとの戦いの場を国外に押しやることにおおむね成功した。米国は大中東圏で収拾のつかない騒ぎをいくつも引き起こし、従来の地域構造をかなりの程度破壊し、さらにはスンニ派とシーア派の闘争もひどく激化させた。
幾度かのテロ事件を経て、欧州の対テロをめぐる団結はいささか表面化し、ますます多くの国・地域がただ驚き、うろたえ、自己防衛を選ばざるを得なくなっている。欧州の対応は時期や地域によって異なり、矛盾だらけだ。例えば難民問題による分裂は日増しに顕著で激しくなり、ドイツのメルケル首相は難民を大いに受け入れたことでノーベル平和賞にノミネートされた一方で、最近のドイツ地方選挙では2つの州の支持を失った。
テロは欧州を文明の衝突の危険へと押しやりつつある。一部の地方の人々は外国人排斥を主張する極右政治勢力を支持することを選んだ。極右勢力が議会に進出したことで現地の外国系住民の境遇がさらに悪化し、テロリズムがさらに入り込みやすくなっている。このような悪循環を阻むことは今後難しくなっていくかもしれない。
EUは今、ユーロ圏金融危機など重大な困難に直面し、士気が下がり、その歩みはふらついている。再三発生するテロ襲撃は、人々の自信をくじくとどめの一撃になるかもしれない。戦後数十年、欧州が今ほど不安で困惑した様相を呈したことはない。
パリ同時多発テロ事件の際、中国の世論はテロリストを厳しく非難したと同時に、中国の新疆でテロ事件が発生した際に欧州世論が取った態度をとがめ、彼らが最初に新疆のテロリストの過激な心情の「正当性」を強調し、ひいてはこの事件を「反抗」と呼んだ人さえいたことに不満を示した。今も多くの中国人がこのような不満を抱き続けている。だが、そんな中国人であっても、ブリュッセルで新たに起きたテロ事件と欧州で立て続けに起きた不幸を前にして、今この時期に欧州の人々と言い争うことは心苦しくてできない。
「北京週報日本語版」2016年3月23日
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