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岐路に立つ中日関係に望まれる理性
馬暁霖  ·   2015-08-04  ·  北京週報
タグ: 安倍政権;中日;政治
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 言うまでもなく、中日が再び戦うことはできない。70年前のあの災難は今でもありありと目の前に浮かぶ。被害者の中国であれ加害者の日本であれ、どちらもかつてない損失を蒙った。日本軍の野蛮さと残虐さも永遠に人類の文明史に刻まれている。経済のグローバル化、貿易の一体化も、中日が再び戦うことができないことを決定づけている。なぜなら、両国はすでに70年前のように資源、産業、製品、市場がはっきりと切り離されたような状態ではなく、密接に結びつき、深く影響し合う状況となっているからだ。ましてや核兵器時代にあっては、なおさら中日両国が再び戦うことはできない。なぜなら、その戦いの結果は広島と長崎よりさらに深刻な壊滅と汚染の悲劇をもたらし、アジア?太平洋地域ないし世界にまで災いを残すかもしれないからだ。さらに重要なのは、戦争は永遠に破壊の手段であり、その過程で歯止めがかからない状態になりやすく、結末もつねに希望通りにならないということである。

中日にはさらなる対話、交流、理解と協力が必要である。中日間には3つの問題が存在し、それらは平和的に解決できると筆者は考える。まず、釣魚島と東中国海の境界画定を核心とする主権と領土の紛争である。中日国交正常化を実現させた指導者らは「論争を棚上げし、共同で開発する」という戦略とロードマップを定めていた。次の世代として、より良い解決策がなければ、前の世代の方法をそのまま踏襲し、論争を棚上げし続けても構わないのではないか。次の世代は我々よりも良い解決策を見出せるだろう。そして時間も双方が解答を探し当てる助けになるだろう。

第2に、歴史問題である。つまるところ、日本が一貫して、かつ徹底的に侵略戦争の性質、危害、罪の責任を認識し、しかも良心のとがめで今後への戒めとすることができるかということである。これはアジア人民、特に中国人民の感情に関わるだけでなく、日本が軍事大国になって同じ失敗を繰り返し、再び隣国を害するようになるかどうかも示唆する問題だ。日本は人々や世の中から信頼を得てこそ初めて真に頭を上げて前を見ることができ、過去の被害国から受け入れられ、またその実力にふさわしい国際的地位と役目を獲得することができるのだ。

第3に、中国観である。すなわち、中国の急速な台頭と自国の停滞との落差にどう向き合うかである。中日間の付き合いは2000年余りの歴史を持っており、百年前、日本が武力で東アジア地域の秩序と利益の枠組を転覆するまで、善隣友好関係が両国間の主旋律だった。中日交戦の責任はいずれにしても日本側にある。今、平和的発展路線を堅持し、しかも広大な国土面積を持ち人口が多い中国が、いつまでも経済発展において日本より立ち遅れることはあり得ない。数千年にわたって積み重ねられてきた文明を持つ中国が、勢い盛んな道を歩むことをいつまでも日本に妨げられるはずがない。いわゆる中国の脅威は、日本のゆがんだ心理が生んだ幻想である部分が大きく、中国に追いつかれるのをよしとしない感情や自信のなさの現れなのである。

一言で言えば、中日関係は心理状態の問題であり、島国コンプレックスとペシミズムが骨の髄まで染み込んだ日本の政治家が冷静かつ理性的に、そして客観的に上記3つの問題点に対応できるかどうかにかかっている。昨年以来、中国の習近平主席は公の場で何度も中日友好を提唱し、平和的発展を重ねて言明し、和すれば互いに利があることを強調し、歴史問題に言及してもその多くが善意の忠告であり、大国の度量と未来志向の姿勢を示してきた。日本側の統計によると、今年上半期に日本を訪れた中国人観光客数は217万8600人余りに達し、各国観光客の中でトップを占めている。この点から、中国の人々の寛容の心、平常心が見て取れる。日本の最新世論調査によると、日中関係を改善するべきだと考える日本人は70%以上だった。こうした平和を願う大勢を前にして、安倍晋三首相は立ち止まって考えてみるべきだ。自分はあまりにも速く走りすぎてはいないか、遠くまで来てしまってはいないかと。(博聯社総裁 馬暁霖)

「北京週報日本語版」2015年8月4日

 
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