この報告の別の重要な発見も、出産サポート関連の政策決定に啓発を与えるものとなっている。

報告によると、出産の足かせとなる要素で、大学生に最も影響を与えるのは住宅コストや養育コストで、男女別で見ると、男子大学生が結婚・出産コストを心配しているのに対して、女子大生は自身のキャリアアップのことを最も心配していた。つまり男女のニーズを総合的に考慮した公共政策が必要であるということだ。

中国人口学会の会長を務める南開大学経済学教授の原新氏は、シンポジウムで、「『公共』の領域において、女性が社会の労働に参加する姿が多くの人の心に刻まれている。しかし、『プライベート』な領域では、男性のほうが依然として、職場で奮闘し、お金を稼いで家族を養わなければならない理由が多く、家庭や子供の世話の負担は女性が多くを担わなければならないのが現状だ。そのため、女性の負担は非常に大きい」との見方を示す。

中国の多くの地域が、産休を増やしたり、出産手当を給付したりといった出産サポート対策を打ち出しているが、その効果については、今後の評価が待たれる。今の大学生が少しずつ社会に出て、人生の岐路に立つ時、どんな選択をするのか、期待しながらゆっくりと観察することになるだろう。（編集KN）

「人民網日本語版」2022年5月17日