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ディズニー直営の英語スクールが中国撤退 新型コロナ流行で再開の道見えず
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· 2020-06-24 · ソース:人民網 |
タグ: 教育;ディズニー;社会 | 印刷 |
ディズニーは今月22日、公式微信(WeChat)アカウントに、ディズニー・イングリッシュで学ぶ子供と保護者向けのメッセージをアップし、「ディズニー・イングリッシュセンターは再開しないと決定した」と発表した。ディズニー・イングリッシュが3月19日から提供してきた無料のオンラインレッスンも23日をもって終了する。
授業料が残っている場合について、ディズニー・イングリッシュは、「必ず返金する」としている。6月26日から7月21日まで、ディズニー・イングリッシュセンターは保護者を対象に、返金やその他の処理の申請に応じる。
ディズニー・イングリッシュは、ウォルト・ディズニー直営の英語スクールで、ディズニー国際出版社ディズニー学習部門の子会社だ。公式資料によると、50ヶ国・地域の10万以上のクラスでディズニー・イングリッシュが使用されている。
ディズニーが経営する初のレッスンセンターは2008年に上海でオープンし、中国の2歳から12歳までの子供を対象に、ディズニーキャラクターが登場する英語レッスンを提供してきた。レッスンを担当してきたのは中国や欧州、米国の専門のスタッフだ。レッスンでは、「没入型ストーリー解説」というスタイルが採用され、ディズニーキャラクターが登場する没入型環境を作り出し、楽しく英語が学べるというのが売りだった。
ディズニー・イングリッシュは、閉鎖の理由について、「ここ数年、消費者の好みが変化し、オンライン学習を好む消費者が増えている。加えて、世界で新型コロナウイルス感染が拡大しており、その流れに拍車がかかり、顔を実際に合わせて行うレッスンに、保護者が子供を再び通わせるかを一層危惧するようになった」と説明している。
近年、中国大陸部の市場では、英語のオンラインレッスンを提供する学習機関が台頭し、資本の働きかけもあって、多くのユニコーン企業が登場、オフラインの英語教室のシェアを奪う形となっている。
また、今年に入り、新型コロナウイルス感染が拡大し、オフラインの学習機関は営業停止を余儀なくされ、オンラインレッスンへの移行を余儀なくされている。ただ、退会する学生が続出したうえ、家賃や人件費などのランニングコストはそのまま残り、負担は大きくなるばかりとなっている。
これまで、オフラインのレッスンを中心にしてきたほとんど学習機関は、オンラインレッスンへの移行には消極的な姿勢を示してきた。英語のオフラインレッスンのスタイルは、簡単にオンライン移行できるものではなく、多くの人材や技術、資金を投じる必要があるからだ。
ディズニー・イングリッシュが対象としてきた2歳から12歳までの子供は、おとなしく、しかも積極的に学ぶ能力をまだ身に着けておらず、そのような小さな子供たちの興味を引き、学習の目標を達成するためには、ゲームを取り入れたレッスンなど、バラエティに富んだレッスン内容を計画する必要がある。
そのため、ディズニーグループという後ろ盾があるディズニー・イングリッシュであっても、新型コロナ流行期間中にオンラインレッスンを提供するのは至難の業で、10年以上かけて中国市場を耕してきたにもかかわらず、撤退という道を選ぶことを余儀なくされてしまった。
各学校が登校再開を安定して進め、教育業界に希望の光が差し込んできた矢先に、北京で再び新型コロナ感染が起きてしまった。そして、今月17日から、北京市の小中高校の全ての学年は再び登校を中止し、校外学習機関のオフライン授業や集団活動の再開も延期された。北京市教育委員会も、「次の学期には、オフライン・オンライン両方の授業ができるよう準備をしておくように」と明確な指示を出している。そのため、営業再開の希望の光が見えかけていたオフライン学習機関は、少なくとも1年は休業しなければならないのではと予想するようになっている。
大きな資金力を誇るディズニーグループが、今回「返金」に応じたというのは、新型コロナ流行を背景に経営難に陥っている企業が多いことを考えると、かなり「良心的」な対応と言えるかもしれないが、それ以外の校外学習機関にまだ席を置いている保護者や子供たちがどのような対応をうけることになるのかは、何とも言えないのが現状だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月24日
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