1月26日から、遼寧省は呼吸、重症医学、伝染病などの専門および疾病予防コントロールチームを含む計12医療チームの2054人を派遣し、湖北省を支援した。さらに、遼寧省の各業界の人々も自ら動き出し、米、豆製品、マスク、治療機器、陰圧救急車などの生活・医療物資を湖北省に寄贈した。
襄陽市は遼寧省が支援を担当する湖北省の都市だ。ここでは、遼寧省から来た434人の医療従事者が襄陽市にある7カ所の病院に配属されたと同時に、中国医科大学附属第一病院は瀋陽市で遠隔診療センターを設立し、58人からなる専門家チームが24時間対応し、襄陽市を全力で守っている。
「志願書を提出した後、小児科エリア担当のチームに選ばれました。これは私の専門と合致しており、自分の力もよりしっかり発揮できると思います」と襄陽市中心病院を支援に来た中国医科大学附属盛京病院の小児科重症医師である許巍さんは言った。
中国医科大学附属盛京病院が派遣した小児科チームは感染疑い患者小児科エリアを担当する中国初の医療チームだ。「大人に比べると子供の重症率は低いですが、臨床症状の規則性が不明確で、鑑定するのに難易度が高く、病状の進行も比較的速いです。そして、冬と春は肺炎が流行しやすい時期なので、普通の肺炎と新型肺炎の識別も難点の一つです」と許さんは説明してくれた。
襄陽市中心病院PICU病室を回診する許巍さん(写真右から5人目)と同僚たち(写真は許巍さん提供)
小児科エリアの患者たちの病状と医療従事者たちの重い仕事の負荷を考慮した上で、許さんは医師が固定的病床の患者を担当する従来の方法をシフト制に変えた。そして仕事の交替制をしっかり管理し、前後二つのシフトを担当する人たちは毎朝、文字で患者たちの病状と治療の反応を記録するほか、みんなでディスカッションを行い、治療の連続性と適時性を確保している。治療においては、医師たちは大人の治療法を参考にし、子供に合う治療基準を整理し、さらに各患者ごとに個別の治療法を取り、薬の使用量も控えるようにしている。
3月17日、襄陽市中心病院小児科発熱エリアの患者数はゼロになった。1カ月以上にわたる新型肺炎との戦いを振り返ると、許さんは「みんなと一緒に持ち場をしっかり守り、個人的なことをかえりみずにひたすら仕事に打ち込んだこの戦いから離れがたい思いがありますし、襄陽市の人々との間に生まれた心と心の繋がりが名残惜しいです。患者数がゼロになったニュースが各地から伝えられることを期待しています」と語った。
3月18日、湖北省の新規感染者数、新規感染疑い患者数、現時点の感染疑い患者数が共にゼロになった。新型肺炎との戦いはまだ続くが、許さんの期待は徐々に現実になっている。
「北京週報日本語版」2020年3月23日