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「コーヒーを売る」から「体験を売る」へ カフェテリアの撮影スポット化
  ·   2018-07-05  ·  ソース:
タグ: コーヒー;レストラン;社会
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四川省成都市にある環球中心(グローバルセンター)にある「成都最大のネット有名店」と言われる店に足を踏み入れると、まず眼に入るのは、乙女心を満足させるようなピンクの壁に座席、コンテナボックスといった様々な装飾品だ。店舗面積は約3千平方メートル、そのほぼ半分は利用客が写真撮影をするためのエリアとなっている。ボールがたくさん詰まったボールプールだけでなく、大きな芝生も広がっており、その芝生の周囲もカラフルに装飾されたパネルで覆われている。さらには利用客に貸し出される撮影用の道具や衣装まで準備されている。華西都市報が伝えた。

同じく同市武侯区高攀路にあるレストランは、米国西海岸風な雰囲気に満ちている。2階建てのガラス張りの建物は、白を基調としており、一面に広がる観葉植物とネオンのボックスも人目を引く。入り口を入って左側は一面、装飾された壁となっており、利用客が来店したら絶対外せない撮影スポットとなっている。

こうした店は成都に少なくない。錦江区華興東街の小さな建物に入っている隠れ家のようなカフェテリアは、復古派の油絵や燭台、暖炉などの内装が施されており、開店してまだ1ヶ月ほどだが、多くの人が来店して「記念撮影」を行っている。カフェテリアの入り口を入ったところに、約10平方メートルのスペースが設けられ、油絵や観葉植物といったアイテムで「風景」を作り上げている。

紹介したこの3つの店は、それぞれ雰囲気は異なるが、いずれもその人気は非常に高い。口コミサイトの「大衆点評」のコメント欄を見ると、ほとんどのネットユーザーが撮影目的で来店しており、彼らのコメントにおいて使用頻度の高いワードは、「ネット有名店」、「インスタ映えする」、「雰囲気がいい」だった。

高攀路にあるレストランに、撮影目的でわざわざ来店したという女性2人は、「写真を撮るために来た。同じようなネット有名店を、1週間に1度は訪ねている。1人当たり数十元の出費は許容範囲」と話した。

同店の責任者である張怡然さんは、「来店客の8割は『90後(1990年代生まれ)』で、そのほとんどが女性」と話す。開店コストは明らかにしなかったが、張さんは、「内装工事費において観葉植物と照明器具が占める割合が大きかったが、店の雰囲気は確かに集客を左右する重要な要素だった。平日は、毎日100人前後、週末には300人以上が来店する。その約8割は、店の雰囲気を体験することが目的であり、わざわざ撮影するためだけに来店する客は40%を占めている」と話した。

〇「コーヒーを売る」から「体験を売る」へ 伝統的な仕事が新たな価値を創造

面積100平方メートルのカフェテリアの改装費用には最低でも10万元(約170万円)ほど必要となる。ある業界関係者は、「ネット有名店の多くは、人気の高いオフィス街に店を構えている。店舗の賃料を踏まえると、その店の一部を単に撮影用としてしか利用できないとしたら、かなりの出費を覚悟しなければならない。だが、わざわざそうする人がいるということは、何らかの利益がもたらされることを意味している」と指摘した。

それについて四川大学商業学院の顔錦江・教授は、「カフェテリアが店内に撮影スポットを設ける現象は、マーケティングモデルが変化していることを示している。つまり、これまでは『コーヒーを売る』ことが彼らの商売だったが、今は『サービスを売る』、『体験を売る』という方向にシフトしているのだ。現在、伝統的な業界に対するインターネットの影響は、ほぼ全ての業界に及んでいる。だが、多くのサービスは実体験してこそ、十分に実現できるものだ。このようなマーケティングモデルの変化は、消費の変化によってもたらされるサービスの調整と革新を体現している。また、このようなコーヒーの提供と写真サービスの提供という業界の枠を越える現象は、産業融合のすう勢を示している。伝統的な主管業務に新たな価値を創造することで、今後はさらに多くの要素が融合されることになるだろう」とした。

しかし同時に、「このようなモデルがブームになったからと言って、むやみに真似するべきではない。新たなモデルは参考にすることができる。だが、タイミングをとらえて顧客の動態ニーズを把握・誘導し、自身の優位性と結び付けてユニークな特色を打ち出し、ある程度の差別化競争を展開していくことが、何よりも重要であると言えるだろう」と指摘している。(編集KM)

「人民網日本語版」2018年7月4日

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