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デジタル時代に「手書き」は生き残れるか
李勤余  ·   2017-09-14  ·  ソース:
タグ: デジタル;手書き;社会
印刷

自分にこんな質問をしてみよう。「どのくらいの間ペンで文字を書いていない?」この問いを前にして、私はすっかり茫然としてしまった。そうなるのは明らかに私一人ではない。海外メディアの報道によると、イギリスの名門校ケンブリッジ大学は、学生に今後タブレット端末かノートパソコンで解答用紙に記入することを許可するかどうかを検討しているという。学生が手で書いた字が判別しにくいことが増えて、採点する教師の大きな悩みの種になっているからだ。 

オフィスにペン立てではなくキーボードがずらりと並ぶこの時代にあって、手書きの文字は最終的にコードワードに取って代わられるのではないか?以前ならこんな仮想はおとぎ話だと思われていただろうが、今ではおそらく少しずつ現実になりつつある。手書きとキーボード入力の優劣を論争するよりは、むしろ冷静になってもっと実際的な問題を考えてみたほうがいい。デジタル時代に、手書きを残す価値はあるか?そして他に代えられない価値と意義にはどんなものがあるのか? 

ある研究によると、文字を手で書いて覚えた子供は、キーボードを叩いて覚えた子供より早く文字を覚えることが分かった。このことから明らかなのは、手書きから完全に遠ざかると子供の思考訓練にとってプラスにならないということだ。 

漢字を用いる中国人にとって、手書きにはやはり重要な意義がある。漢字の形体とその変化は中華文化の至宝だ。世界の諸民族の文字はすべて実物の形の輪郭を描くところから始まった。しかし多くの文字は最終的に表音文字に変化し、文字の形体と語句の意味の間から直接的な関係が失われた。しかし漢字は、現在も使われている文字のうち数少ない表意文字の特徴を残した文字である。漢字一つ一つにそれぞれ味わいや個性があり、漢字から中国文化の風格と内容が伝わってくる。手で書くことで初めて漢字の形体を直観的に感じることができ、中華文化の真髄を私たちの手を通して理解することができるのだ。 

手で書いた漢字は生活スタイルの体現でもある。筆記具を手に取り、何行か字を書いてみる。そこには気持ちが込められ、想いが残る。手書きをする時にめぐらせたきめ細やかな考えは、単純な「コピー&ペースト」では決して取って代わることができない。 

公平に言うならば、手書きの応用余地は確かにますます狭まっている。しかし、それは電子入力によって生活がますます便利になったことを示しているだけで、手書きが完全に価値を失ったことの証明ではない。つまるところ、手書きとキーボード入力の間は、これでなければあれという関係だけしかないのではなく、今後もかなり長期間にわたって共存していくだろう。人類が文化を重視しさえすれば、手書きが歴史に淘汰されることはないはずだ。

「北京週報日本語版」2017年9月14日

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