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人工知能時代、多くの人間が不要になる?
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· 2017-02-10 · ソース: |
タグ: 科学技術;人工知能;社会 | 印刷 |
科学技術の進歩によって、新しい業種が次々と現れ、雇用機会も増えるだろう。
イスラエル人歴史学者のハラリ氏は新著『ホモ・デウス』で人類社会の発展について大胆に予測し、同書は「タイムズ」など複数のメディアから年度最優秀書籍に選ばれた。ハラリ氏はこのほどインタビューに応じた際、「現在開発されている人工知能(AI)技術は車の運転や病気の診断など多くの分野で人間を超えるだろう。将来、数多くの仕事は知能機械に取って代わられ、数十億人は役に立たない『不要層』になるだろう」との見解を示した。
筆者は「人工知能技術が多くの分野で人間を超える」という観点には賛成しているが、「数十億人は『不要層』になる」という論断には賛成できない。ハラリ氏が言う「不要層」は実際には「失業者層」のことだ。
歴史から見ると、人類社会の発展につれて、科学技術がますます進歩し、機械化、オートメーション化のレベルも高まってきた。では、失業率がますます高くなっただろうか。明らかにそうではない。科学技術の進歩によって、新しい業種が次々と現れ、雇用機会も増えていくからである。例えば、時計は夜回りを失業させたが、時計業に従事する人はそれまでの夜回りよりずっと多くなっている。
米国を例にすると、1930年代初めの「大恐慌」期に、米国の人口はわずか1億2000万人だったというのに失業率が20%以上に上ったことがある。現在の米国人口は3億2000万人であるが、失業率はわずか4.8%だ。世界全体では、200年前の人口は10億人しかいなかったが、機械化、オートメーション化のレベルが200年前より大幅に高くなった今、世界人口73億人のうちの大半は余分なのか。もちろんそうは言えないだろう。
古代では、農業人口は総人口の90%以上を占めていたが、それでもしばしば飢饉が起きていた。社会経済の発展につれて、農業人口の割合がどんどん減っていく。経済が発達した米国では、総人口に占める農業人口の割合は2%足らずだが、それですべての米国人を養えるだけでなく、大量の農産物を輸出している。古代人はおそらく農業人口がこれほど低い割合にまで下がるとは想像できなかっただろう。
技術の進歩は往々にして労働力を解放する。だがそれは労働力が余分になるということではない。そのため、労働力は古い産業から新しい産業に絶えず移っていく。農業技術の進歩によって、大量の農村余剰労働力が農業生産から離れ、製造業に移った。また工業技術の進歩で、大勢の労働者が製造業から離れ、第三次産業に移った。農業に従事しないことが失業を意味するわけではない。製造業やサービス業に従事することができるからだ。同様の理由で、仕事が人工知能に取って代わられた場合も、他の職業に従事することができるのである。
人間が満腹になることだけで満足するのであれば、全世界でごく少数の人が農業生産に従事するだけで世界中の食料問題を解決できる。その場合世界のほとんどの人は「不要層」になる。しかし、「生きるために食べるが、生きているのは食べるためではない」という言葉もある。
人工知能の発展につれて、将来大勢の人が科学研究、創造・発明、文化・教育、芸術に従事するようになると予測することができる。特に、知能ロボットの開発、製造、販売、管理は一大産業になる可能性がある。将来、ますます多くの肉体労働集約型産業は知能労働集約型産業にアップグレードすることになる。
機械は人間の一部の肉体労働に取って代わり、人工知能は一部の頭脳労働に取って代わる。人は万物の霊である。人間が人工知能を創り出したのであって、人工知能が人間を造ったのではない。人間が自暴自棄になる理由はないし、またその必要もない。(何亜福)
「北京週報日本語版」2017年2月10日
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