一方、事故によって汚染された地域の除染作業は8割以上完了した。しかし、作業で発生した除去土壌や廃棄物は、行き場を失っている。日本の環境省の井上信治副大臣は最近、除染で出た福島県内の汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備を始める方針を明らかにした。ただ、計画中の施設は16平方キロになるものの、土地所有者が懐疑的でこれまで取得できた土地は1%に満たないという。
筆者が最近、事故の被害を受けた地域を取材してみると、汚染した土が入れられた黒のビニール袋が村のあちらこちらに置かれていた。また、全員が避難した村は、避難命令が解除されたにもかかわらず、福島の農産品はイメージが大きく落ちたため、農業生産の回復のめどが立っていなかった。
日本国立環境研究所が最近発表した報告書によると、事故後、第一原発の南側で潮間帯に棲息する無脊椎動物の種類と数が大きく減少した。また、変異により、育たないアカマツが顕著に増加した。福島県民の約9万9千人は今だに避難生活を余儀なくされている。
日本の菅直人元首相はこのほど、東京電力福島第1原発事故から約5年の現状について米ワシントンのナショナル・プレスクラブで講演し、「(放射性物質が)地下水と混じり海に流れ出ているのは間違いない」と指摘し「事故は続いている」と強調した。
「人民網日本語版」2016年2月26日