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【40代から始める日本人の中国生活の記録】牡丹がつなぐ中日の縁
  ·   2023-05-04  ·  ソース:北京週報
タグ: 牡丹;文化;中日交流
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日本で花と言えばまず頭に浮かぶのは桜だが、広大な国土を持つ中国では東西南北で植生に違いが見られ、季節ごとに各地で多種多様な花が咲く。その中で一つ、とりわけ中国の人々に愛されている花を挙げよと言われれば、やはり牡丹は外せないだろう。

中国が原産地の牡丹は、漢代にまとめられた中医学の四大経典の一つで、最も古い中医学の著作として知られる『神農本草経』には薬草として記されていたが、やがて観賞用の花として広く栽培されるようになり、牡丹をモチーフとした文様や詩文、絵画などが数多く生み出された。悠久の歴史を持ち、高貴で豪華絢爛な牡丹の花は、まさしく中華文化を象徴する花と言える。

その美しさを存分に堪能したいなら、山東省菏沢(かたく)市を訪れるといい。「牡丹の都」と称されるこの地では毎年、開花期に合わせて牡丹にまつわる数多くの催しが行われており、花を通じた観光業の振興に加え、牡丹を通じた国際文化交流も盛んだ。

その取り組みの一つが、4月9日に開催された菏沢牡丹国際広報フォーラムである。「中華文化のシンボルをつくり上げ、世界に菏沢牡丹の物語を伝える」をテーマとして掲げる同フォーラムは、菏沢市、そして中国で育まれてきた牡丹文化を世界に向けて発信し、菏沢市、山東省、さらには中国への理解が世界中でより深まるよう後押しすることを目的としている。

当日、筆者は会場を訪れ、世界中から集まったさまざまなゲストのスピーチや議論に耳を傾け、多くの方にお話しを伺った。そして気付かされたのは、菏沢市の牡丹が中日友好に貢献しているという事実である。

「参加者の皆さんからたくさんのことを学び、牡丹のことを深く知って、これから日本でもっと中国の牡丹文化を広めたいと思い、今回のフォーラムに参加しました」

そう語るのは、中日革新交流協会理事長・岐阜日中文化交流協会理事長を務め、同フォーラムで基調演説を行った馬励さんだ。1993年に留学のために日本に渡り、すでに日本生活が20年以上になるという馬さんは、牡丹を通じた中日友好の取り組みを精力的に行っている。岐阜市の名刹・美江寺観音にある「日中友好牡丹園」は、その象徴と言うべき場所である。

「2017年に美江寺観音の住職さんと友達になり、境内に牡丹園を作ろうという話が持ち上がって、そこから私と牡丹との縁が始まりました。牡丹はもともと中国から日本に伝わったもので、当初その多くはお寺に植えられていたと言われています。美江寺観音の住職さんは中国にとても関心がある方で、『中国の牡丹を植えて、日中友好の花を咲かせよう』と、このプロジェクトに賛同していただけました」

そうして中国から牡丹を取り寄せることになったわけだが、その牡丹の苗こそ菏沢市産のものだった。

「菏沢市に住む友人の紹介で、現地の牡丹の苗を108株取り寄せたのですが、なにぶんみんな素人なので、通関で引っかかったり、どういうふうに栽培したらいいか分からなかったりして、簡単ではありませんでした。でも、岐阜在住の華人・華僑の皆さんや日本の友人たちと一緒に力を合わせて牡丹を育てたおかげで、毎年春になるときれいなお花を見ることができるので、苦労を苦労だとは感じませんでしたし、今はお花から元気をいただいています。

困難と言えば、中にはこのような友好の取り組みを快く思わない方も、残念ですが全くいないわけではありません。ただ、どんな人に対しても真心で接すれば、お互いに理解し合い、いい関係になれると思っています。真心を大切にする、これが友好活動を通じて私が牡丹から教えてもらったことです」

中日平和友好条約45周年に当たる本年、馬さんは記念イベントの一つとして、4月1日、2日に岐阜市で行われた「牡丹祭」の開催にも携わった。牡丹祭では和太鼓や中国の舞踊などが披露され、多くの参観者が牡丹の美しさとともに両国の文化に触れたという。その時の賑わいの様子を笑顔で語りつつ、馬さんが強調したのは、このような民間交流が中日の友好促進で果たす役割だ。

「民間交流は草の根の交流とも言いますが、中日両国は引っ越しができない隣国ですから、いくら状況が複雑になってもその重要性は変わらないと思っています。今後は岐阜だけじゃなくて日本のたくさんの場所やお寺、大勢の日本の皆さんにも、菏沢市、そして中国の牡丹文化を知っていただけたらと思っています。また、両国の人々が交流できる場として、牡丹園をもっとたくさん作れたらというのが私の夢ですね」

中国と日本、そして世界。花を愛する心に国境はない。美しく咲き誇る牡丹のように、中国と世界の文化交流がより盛んになり、牡丹を通じて中日友好、さらには日本における中華文化への理解が深まること、そして馬さんの夢が現実のものとなることを筆者も願ってやまない。

「北京週報日本語版」2023年5月4日

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