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外部圧力を改革の原動力に転化する
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· 2018-08-07 |
タグ: 改革;貿易;経済 | 印刷 |
現在、世界の経済貿易情勢に重大な変化が起こっている。西側主要経済体どうしが対外貿易分野の協調に力を入れるようになった一方で、米国が世界貿易ルールの変更をしきりに促している。7月25日、米欧双方が貿易に関して合意に達し、双方は共に努力し、自動車を除く工業製品を関税、関税障壁、補助金の撤廃に取り組むことに同意した。また、日本とEUは先ごろ正式に「経済連携関係協定」(EPA)に署名し、日米貿易協定交渉も間もなく開始される。
こうしたことを背景に、いわゆる「世界新貿易秩序」が形成されるかもしれないという推測が聞かれるようになり、中国経済の外部リスクの不確定性がにわかに高まっているように見える。率直に言って、こうした憂慮は杞憂というわけではない。しかし、新貿易体系構築の困難さと複雑さを過小評価し、中国の現行世界貿易体系に対する依存度を高く見積もっており、さらには中国の膨大な経済体量とその体制優位性がもたらす挽回の余地、そして中国経済の外部リスク制御能力も軽視している。
主要経済体の経済貿易分野に出現した新たな変化を前にして、我々は常に次の二つの基本認識を明確にしておかなければならない。一つは、中国経済が質の高い成長路線に沿って持続可能な発展をしていけるかどうかのカギは改革開放をしっかりと推進していけるかにあり、それは内在的要因であって、外在的要因が中国の運命を決めるのではない、ということ。二つ目は、中国は絶えず世界に向かい、世界と融合しており、終始世界平和の建設者であり、世界発展の貢献者であり、国際秩序の擁護者である、ということだ。実際、中国は一貫して地域協力の「多国間」、国家間の「2国間」など様々な貿易メカニズムの推進に努力してきた。2002年から、中国は24の国・地域と16の自由貿易協定を結び、現在13の自由貿易協定交渉を進めており、さらに10カ国と自由貿易協定共同実行可能性研究やアップグレード共同研究を展開している。
過去40年来で中国経済が成し遂げた極めて大きな成果の核心は改革と開放であり、社会組織とガバナンス体系を絶えず先進的生産力発展の要求に適応させ、市場が資源配置においてますます決定的作用を果たすよう促し、絶えず市場主体の活力と創造力を活性化してきた。歴史の経験は我々に、通貨政策で巨額の支援を行っても、経済成長の長期的減速傾向をひっくり返すことはできないと同時に、資産バブルを招き、対外貿易や為替レートなどの圧力もますます高まる、と告げている。こうした行き過ぎた負債に頼った発展モデルはすでに続けていくことが難しくなっている。負債に頼った拡張からイノベーションによる駆動へ、規模的拡張から質の高い発展へと転換し、イノベーション力を高め、新たな原動力を作り出すことが、現在中国で最も大切な内部改革であり、ますます厳しくなる外部情勢の中で中国経済がしっかりと立つための決定的要因でもある。
7月31日に開かれた中国共産党中央政治局会議は次の点を明確に指摘している。雇用の安定、金融の安定、対外貿易の安定、外資の安定、投資の安定、予想の安定に関する活動にしっかりと取り組む必要がある。デレバレッジにしっかりと取り組み、その力の入れ具合とペースを把握し、各政策を打ち出すタイミングをしっかりと協調する必要がある。不動産市場問題をしっかりと解決する決意を固め、断固として不動産価格上昇を抑制する必要がある。また、改革開放を推進し、役に立ち効果のある重大改革措置を引き続き検討して打ち出す必要がある。開放拡大と大幅な市場参入条件緩和の重大措置を実施し、共に「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)を深化させ、第1回中国国際輸入博覧会を念入りに開催する必要がある。それは、今後マクロ政策が依然として「安定」を重視し、改革開放とイノベーションによる発展の堅持が今後も中国経済の主旋律であることを表している。
中国経済が現在直面している問題の多くは構造性の問題であり、周期性の問題ではない。的を絞った措置を講じて、構造性政策で構造性問題を解決するべきである。このほか、政策に対して微調整が行われたものの、これは決して転向ではない。マクロ政策の重心を財政政策へと転じることが構造的な微調整の主要手段となり、積極的な財政が経済的よりどころの主要手段となるだろう。より重要なのは、中央の決定が不動産バブル抑制と改革開放への注力という決意の表れであり、中国経済が再び負債に頼った投資や不動産バブルという以前たどった道を再び歩むのではなく、改革開放とイノベーションによる新たな発展をよりどころとするモデル転換の道への転向を意味していることである。
「北京週報日本語版」2018年8月7日
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