国務院の李克強総理は5日午前、第12期全国人民代表大会第4回会議で2016年の政府活動報告を行った。16年の重点活動の第3大項目の中で、「有給休暇制度を実施し、観光交通、観光地・観光スポット、オートキャンプ場などの設備の建設を強化し、観光市場の秩序を規範化し、来たりつつある大衆旅行時代を迎え入れる」と述べた。この短い表現の中に、深い意味が含まれている。
現在、中国では観光消費が一般化しつつあり、人々にとってごく当たり前の生活スタイルの1つになっている。2015年の国内旅行者数はのべ40億人を超え、観光収入は4兆元(約70兆円)に達した。「大衆旅行時代」が中国で現実のものになり、このことは観光市場の規模拡大が経済成長を牽引し、雇用をもたらす重要な要因になったことを意味する。
しかしながら、中国の一部地域では観光をめぐる環境の建設で多くの問題が起こり、人々の利益との関わりがますます大きくなり、そのため社会で広く注目を集める重要点にもなっている。ここ2年ほどの間に、超高額のシーフードや「ブラックガイド」などの事件がメディアに報じられ、人々の間から不満の声がわき上がった。中国政府が観光市場の秩序を一層重視するのは民意を反映したもので、政府と人々が協同で役割を担う中、観光市場の粗放型経営の傾向はこれから曲がり角を迎えることになる。
多くの人は、大衆旅行時代の見通しは明るいが、着実に真剣にやるべきことがたくさんある、との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年3月6日