2つの自由貿易区の設立は当事国にとってウィンウィンの関係をもたらすものであり、同時にアジア太平洋経済に対する推進作用も顕著だ。中韓自由貿易協定の正式発効は、経済総量が12兆ドルにも達する共同市場の形成を意味する。大韓貿易投資振興公社中国事業団の張炳松団長は、「この幅広い分野をカバーする自由貿易協定は、勢いよく発展する韓中経済貿易関係に新たなエンジンを組み込み、双方の協力が次の段階へ進むことを後押しし、北東アジアないしはアジア太平洋地域の自由貿易区の発展にとっても深遠な影響を及ぼすだろう」と述べている。
推計では、中豪自由貿易協定の発効後三年で、中国の対豪輸出商品は16億ドルの関税減免を受けられる。オーストラリアの研究機関によると、自由貿易協定は程度の違いはあるがどちらの国の経済成長も後押しすると見られる。オーストラリア国立大学東アジア経済研究所のドライスデール所長は、「協定は双方にとってメリットをもたらすだけでなく、アジア太平洋自由貿易区を拡張するための第一歩にもなるだろう」との見解を示している。
アジア太平洋地域には、さまざまな自由貿易枠組みが入り組むようにして並存している。開放と包括、協力とウィンウィンの理念を堅持すれば、それらはアジア太平洋自由貿易圏という壮大な青写真の一部として溶け込んでいけるだろう。
中国は14の自由貿易協定に調印しており、その対象は22の国と地域に及んでいる。中韓自由貿易区と中豪自由貿易区の設立は、アジア太平洋自由貿易圏の構築に向けた重要な一歩となるだろう。将来的には、中日韓自由貿易協定や「地域包括的経済連携協定」など域内の自由貿易枠組み構築が進展するにしたがって、アジア太平洋自由貿易圏の構築は加速され前進していくだろう。 (新華社記者 汪平 )
「北京週報日本語版」2015年12月22日