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【40代から始める日本人の中国生活の記録】小旅行の楽しみ
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本誌記者・植野友和 · 2022-10-18 · ソース:北京週報 |
タグ: 北京;旅行;中日交流 | 印刷 |
さて、以上は小旅行の感想だが、今回の訪問では他にもさまざまな気付きがあった。
まず第一に、中国における国内旅行、とりわけ「微旅游」(マイクロツーリズム)がもたらす効果である。その理由としては新型コロナ対策の影響で海外旅行が難しく、国内旅行でも感染状況次第のため、近場志向が強まっていることがある。だが、それは決してネガティブな側面だけではなく、人々にとっては自国の文化、もしくは地元の魅力を再発見することにつながるという大きなプラス面を生んでいる。
また、都市住民が近くの農村を訪れることにより、さまざまな観光業が伸び、村民たちは雇用や増収の機会を得ている。実際、爨底下村だけでなくこれまでに筆者が訪れた各地の村々では、農業だけに頼ることなく観光産業に力を入れ、貧困状態から脱却を果たしたと語る人々に数多く出会ってきた。この点において、中国の「農村振興」は着実に成果を上げていると言っていいだろう。
第二に、自分が抱いていた中国の農村のイメージは、もはや過去のものになっていたという気付きである。昔、中国を旅していた頃、こちらの農村といえば道路がろくに整備されておらず、外国人が泊まれる宿もそうそうなく、村のトイレはのけぞるほど汚いことがしばしばあった。そういうところもまだあるにはあるだろうが、農村振興によって様相を新たにした中国の村落は、驚くほどに現代的である。爨底下村のように歴史的建築物を保存している村であっても、建物に一歩入ると実に快適かつ衛生的で、モダンですらある。自分が泊まった民宿などはオーナーの方が長年都会で観光業に従事し、村に戻った後にかつての経験をフルに生かして、いたれりつくせりの宿を運営していた。都会で暮らしていた人が生まれ故郷の村で起業をする現象はここだけでなく中国各地で起きており、今後も農村振興を進めていく上で大きな力となり続けるに違いない。
ちなみに、行政区画上はこの爨底下村も北京市に含まれる。万里の長城や故宮、天壇などももちろん素晴らしいが、北京にはこのような密かな名所もあることを、多くの同胞諸兄にぜひ知っていただきたいと思う次第だ。
「北京週報日本語版」2022年10月18日
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