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「北京―東京フォーラム」 公共外交を革新し、中日関係の前進を後押しする
  ·   2022-10-08  ·  ソース:人民中国
タグ: 北京―東京フォーラム;中日関係;中日交流
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王衆一 毎年のフォーラムで発表される双方のコンセンサスもこの世論調査を参考としているそうですね。また、フォーラムの最も重要な成果であるコンセンサスの合意は苦難の過程を伴うものだそうですが、その困難さにまつわるエピソードを紹介してもらえますか?

高岸明 中日は一衣帯水の隣国同士で、引っ越すことのない隣人同士です。両国間には共通の利益が存在し、経済は高度に相互補完しており、文化や伝統も近く、共に東方文明を代表するものです。それと同時に相違もあり、一部分野や一定期間において相違ないしは対立が深刻になることもあります。フォーラムの双方の組織運営側はそのことを十分に認識し、率直かつ誠実な対話、踏み込んだ交流、小異を残して大同を求めること、コンセンサスの探求という原則を一貫して守ってきました。毎回のフォーラムでは決して問題を避けることなく、建設的原則を用い、それぞれの立場を述べると同時に相手方の意見にも耳を傾けるよう気をつけて、その中からコンセンサスを探し出し、提言を行っています。

17回「北京東京フォーラム」では10余りのコンセンサスを共同発表しました。それらは毎回のフォーラムにおける歴史的記録および成果の集まりで、双方のゲストが二国間関係の健全で安定的な発展のために払った努力の表れであり、この目標の実現のために皆が捧げた知恵を書き記したものでもあります。 

フォーラムで知恵を捧げ、コンセンサスをまとめるべく努力する双方のゲストたち

毎回コンセンサスをまとめるのは確かに容易なことではありません。2013年には日本による釣魚島のいわゆる「国有化」によって引き起こされた中国社会の強烈な反発の下、第9回のフォーラムが開催されました。フォーラム2日目の夜10時すぎ、私は唯一の中国側代表として日本側の5人の高位級人物と協議を始め、コンセンサスは翌日に発表される予定でした。私たちは多くのトピックについて議論しましたが、主な焦点は釣魚島問題であり、いかにして中日双方がこの争いを平和的に解決できるようにするかということでした。  

私と日本側の協議は翌日の明け方5時すぎまで続き、困難な議論でしたが、双方は最終的にコンセンサスで合意し、中日両国は釣魚島問題で現実的に争議があることを認め、平和的な方法で争いを解決すべきで、武力や武力による威嚇に訴えるべきではないと共に呼びかけました。日本政府が釣魚島に領土問題が存在することを認めていない中、双方がこのようなコンセンサスをまとめることができたのは実に容易なことではなく、このエピソードは中日間の極めて困難な問題を解決するために払われた双方の多大な努力を示しています。  

実際のところ、毎回のフォーラムでコンセンサスをまとめる過程は苦難に満ちたもので、少ないときでも34時間、多いときでは56時間を要し、ほぼ毎回徹夜を覚悟してようやく合意が得られるものです。ただ、嬉しいことに、双方は基本的に、最後はコンセンサスに合意できています。このことは双方が「北京東京フォーラム」において、いかなる相違があろうとも現実に向き合い、率直かつ誠実に意思疎通し、踏み込んだ交流を行い、小異を残して大同を求める方法を用いて、コンセンサスを模索しようと努めていることを物語っています。  

双方が合意したコンセンサスを真剣な面持ちで読み上げるフォーラムのゲスト

王衆一 第18回「北京東京フォーラム」は今年の年末に開催されますが、これは中日国交正常化50周年記念イベントの中でも重要な催しです。今年のフォーラムにおける議論の方向性と得られる成果について、どのような考えと期待を持っていますか?

高岸明 今年は中日国交正常化50周年に当たります。今年のフォーラムで私たちは初心を振り返り、経験を総括し、現実に向き合い、答えを模索することにより、中日関係の長期的安定のための良策を探し求めなければなりません。

中日国交正常化40周年に際し、第8回「北京東京フォーラム」に出席した中日のゲストは両国関係の健全で安定的な発展を願って署名した

私たちは過去50年間の中日関係の中からいかなる経験が参考に値するか、いかなる教訓を吸収すべきか、中日両国の発展促進と地域の平和と安定を守るために最も重要な共通点は何であるか、何が中日関係の発展に影響を与えるかを研究しなければならず、両国が小異を残して大同を求めること、そして制御不能な状況が生まれるリスク要素を回避するための努力を必要としています。  

そのため、今年のフォーラムの最も重要な任務は経験を総括し、未来に向かうことです。私は双方のゲストがより率直かつ誠実で踏み込んだ交流を通じ、それぞれの立場と姿勢を表明すると同時に双方の共通点を探し出す努力をし、両国政府の政策決定と二国間関係の健全で安定的な発展のための提言と献策を行い、双方の民間交流と民心の疎通を促進するために懸け橋および紐帯としての役割を発揮することを願っています。このことは両国それぞれの発展と人々の幸福だけでなく、地域と世界の平和のためにも相応の役割を果たし、人類運命共同体構築のために貢献します。私は今年のフォーラムのコンセンサスがこのような目的を達成できるよう願っています。

今年まもなく開催される第18回「北京東京フォーラム」のハイレベル協議をオンライン形式で行う中日双方の主催側

王衆一 フォーラムの中国側主催機関の組織運営者として、高副局長はこれまでに中国日報社と中国外文局のチームをまとめてきましたが、日本側の主催団体は変わっていません。そこでお聞きしたいのですが、日本の協力パートナーについてどのように評価していますか?

高岸明 私は日本の協力パートナーであり、日本側の主催団体である言論NPOの工藤泰志代表について主に語りたいと思っています。工藤代表はたゆむことなく目標を追い求め、あらゆる細かな事についても仕事をおろそかにしない人です。工藤代表と協力を始めたばかりの頃、ある人が工藤さんは個性が強く、付き合うのは簡単ではないと善意で注意してくれました。確かに双方の協力において、私たちは業務上の細かな事で顔を真っ赤にして言い争う場面があり、相手に圧迫感を与える言葉を使ったこともありました。しかし、心を落ち着かせた後には、私たちの相違が異なる認識によるもので、私たちの論争はよりしっかりと仕事をするためのものであると気づきました。より多くの場面で、私たちは問題解決のために知恵を出し合うよう共に双方のチームをリードして、フォーラムの良好な運営のために互いに足並みをそろえました。

17年間、私たちはお互いに磨き合い、順応し、助け合い、信頼してきました。仕事の上で呼吸が合ってきただけでなく、友情も生まれたのです。そうして工藤代表と私は一つの共通認識に至りました。それは、私たちがフォーラム開催の初心を守り、最大限努力をすれば、フォーラムのさまざまな業務をしっかり行えるということです。 

フォーラムで感想を述べる言論NPOの工藤代表

同様に、日本側チームの中心メンバーである明石康元国連事務次長、宮本雄二元駐中国日本大使なども、フォーラムの良好な運営のために非常に大きな努力を払ってきました。この場を借りて工藤さん、明石さん、宮本さんをはじめとして、毎回の業務に真剣かつきめ細かな姿勢で向き合う日本の協力パートナーに感謝を述べたいと思います。「北京東京フォーラム」が中断することなく開催を続け、ますますしっかりと運営されているのは、これらの方々の懸命な努力があればこそです。

王衆一 高副局長は「北京東京フォーラム」のこれまでのほぼ全ての道のりに携わってきました。17年間で何を得て、どのような感想を持ちましたか?  

高岸明 「北京東京フォーラム」は現在までに17回開催され、私は14回参加し、そのうち12回はフォーラムの組織運営を担いました。この仕事からは数多くの思いを得ることができました。

まず、私たちは一度目標を定めたら、そのためにたゆむことなく努力を払う必要があります。「北京東京フォーラム」の使命は中日の交流と協力、民心の疎通を促進し、両国関係の健全で安定的な発展を後押しすることです。フォーラムの主催側として、私たちはこのことを自らの任務とし、行動に責任を持ち、いかなる試練に直面しようとも困難に立ち向かう覚悟で前へと進み、フォーラムの各関係者と共に的確な措置を取り、共通の目標を実現します。

その中にはフォーラムの双方の指導機関トップによる心を尽くした配慮、両国の参加ゲストの力強い助力、中日双方の実行委員会の各専門家による地道な努力、両国スタッフの懸命な働きも含まれます。皆さんが行動に責任を持ち、たゆむことなく堅持しているからこそ、フォーラムは今日の規模にまで発展することができたのです。

第二に、中日関係は複雑に絡み合っており、そのことは両国の歴史と文化、双方の国家利益と民族感情などさまざまな要素にまで及んでおり、時にはセンシティブな問題となります。そのため、私たちは絶えず学びを深め、これらの問題を正確に把握して、適切かつ的確な措置を取り、関連業務を推し進める必要があります。

第三に、私たちは中国と外国を融和させる業務の進め方を取り入れ、原則を堅持すると同時に国際的なルールを遵守し、柔軟かつ実務的で適用性のある方法を用い、効果を導きとして業務を推進する必要があります。そのようにしてこそ、お互いを理解した良好な協力関係を打ち立てる上でプラスとなります。  

会場でフォーラムを主宰する中国外文局の高副局長

フォーラムのさまざまな業務が着実に前へと進んでいることを嬉しく思います。幾年か後に現在を振り返ったとき、私は中日関係の安定的で健全な発展を推し進めるために努力をしたのだと、喜びを覚えることでしょう。

取材=王衆一  

編集=暁寧  

写真提供=「北京東京フォーラム」事務局弁公室  

人民中国インターネット版 2022年10月5日

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