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黒川さくらさん「校舎を見上げ思うこと、それは感謝の一礼」
  ·   2019-07-04  ·  ソース:人民網
タグ: ボランティア;教育;中日交流
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長年にわたり、中国ではごく普通の、愛らしい日本の若者たちが常に活躍してきた。彼らは自身の知識と熱意を中国の地に捧げてきた。彼らの中には社会人になったばかりの若者もおり、中国語もほとんど話せないものの、努力と楽観的な姿勢で、異国の地で人としての価値を実現させようとしている。日本国際協力機構(JICA)が中国に派遣するボランティアたち、それがこうした若者たちだ。ボランティアたちは通常、1~2年間中国に滞在し、そのほとんどが条件的にも厳しい遠隔地や貧困地域へと派遣され、そこで教育や医療といった業務に従事し、現地の人々と一緒に生活する。人民網日本語版では「中国の日本人ボランティア」コンテンツにおいて、こうした日本人ボランティアたちが中国で経験したエピソードや思いを紹介する。

今回紹介するのは、間もなく中国での2年間の任期を終える黒川さくらさんが黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市と貴州省盤州市で日本語教育隊員として活動した経験と所感。黒川さんは、この2年間、喜怒哀楽の尽きない充実した生活の中で、全国高校生日本語作文コンクールで生徒を一等賞まで導いてあげられず悔しい思いをしたことも、泣きたいほど悲しかったときに当時配属されていた学校の同僚や多くの中国の暖かい人々に支えられて幸せを感じたこともあったという。これまでの2年間に対する感謝の念でいっぱいだという黒川さんは、帰国後も中日友好に貢献していきたいと語っている。

間もなく任期終了となった今、校舎を見上げふと思い出すのは、授業中の生徒の笑顔です。

早いもので、中国へ来て2年が経とうとしています。日本語教育隊員である私の毎日にはいつも生徒がいました。生徒たちの表情は毎日コロコロと変わります。新しい言葉に出会ってウキウキ楽しそうだったり、友達とけんかでもしたのか授業中もふくれ面をしていたり、大学試験に向かって一生懸命になっている顔だったり。そんな喜怒哀楽の豊かな生徒なので、私の授業にも笑いがあったり、時にはシーンとしてしまったり、おかげで私自身も喜怒哀楽の尽きない2年間でした。

私は、前半一年は、黒竜江省ハルビン市のハルビン市朝鮮族第一中学校、後半一年は貴州省盤州市の盤州第十一中学校に配属されました。

ハルビンの配属先で、一番心に残っているのは、ある生徒と全国日本語スピーチ大会に出場したことです。ある日一緒に乗ったバスの中でその生徒が「先生と一緒に出場したい!」と言ってくれました。その日から同僚の先生たちと一緒に日々練習に励み、地方予選を勝ち進み、北京での決勝戦の切符を勝ち取りました。そこで生徒が見せてくれた堂々とした姿は今でも目に焼き付いています。私も生徒以上に感極まって泣きたくなりました。

その後、現在の配属先である貴州省盤州市第十一中学校に着任しました。ここで日本語を学ぶ生徒もハルビンの学校に負けないほど元気で目がキラキラしていました。また、同世代の同僚たちも私を暖かく歓迎してくれ、「日本語大会」や「日本文化祭」などたくさんのイベントを一緒に創り上げてくれました。ここで一番悔しかったのは、全国高校生日本語作文コンクールで、生徒を一等賞まで導いてあげることができなかったことです。大学試験勉強の合間を縫って一生懸命書いてくれた高校三年生達、彼らにとって最初で最後の大会でした。盤州の配属先の大部分の生徒は農村部出身なので、外の世界をあまり知りません。一等賞を取って北京に行かせてあげ、頑張った先に何があるのか、一緒に見たかった、、、。この悔しさは今でも忘れられません。

この2年間、新参者の私がここまでやってこられたのは配属先をはじめ、中国の暖かい人々のおかげです。泣きたいほど悲しかったとき支えてくれたのは周りの人々でした。誰かに話したくなるほど嬉しかったとき一緒に喜んでくれたのは同僚達でした。また、一番私の活動を見てくれていたのは生徒たちでした。振り返ると、私の活動にはいつも中国のみなさんがいて、おかげで、生徒たちを笑顔にするイベントや授業を創り上げることができました。「感謝」の二文字では伝えられないほどの感謝で胸がいっぱいです。本当にありがとうございました。

間もなく中国を離れますが、帰国後も繋がったご縁と、培った経験を生かして、日中友好に貢献していきたいと思います。

(青年海外協力隊 黒川さくら 貴州省盤州市盤州市第十一中学校派遣 日本語教育)

「人民網日本語版」2019年7月3日

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