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日本の食文化が招いたクロマグロの絶滅危機
  ·   2017-03-07  ·  ソース:
タグ: 日本;食文化;中日交流
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東京・築地市場で1月に、新春恒例の初競りが開かれ、青森県大間町産のクロマグロが1匹7420万円で競り落とされた。世界中で配信されたニュースに掲載された画像を見ると、落札したすしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村社長が、会心の笑みを浮かべながら、同日最高値で競り落とされた212キロのマグロに包丁を入れている。北京晩報が報じた。

成熟が遅いほか、乱獲されており、さらにはこれほど大きなクロマグロ以外に、幼魚さえ捕獲する漁師がいるため、クロマグロの個体数は激減し、絶滅危惧種に指定されている。

高値で売れるマグロ

クロマグロは、海洋生態系において食物連鎖の重要な一環として、他の魚や甲殻類などを捕食する。もしクロマグロが絶滅すると、関連の海域の生態バランスも崩れてしまう。専門家は、「絶滅危急種」に指定されているジャイアントパンダより、クロマグロの状況のほうが予断を許さないとの見方を示している。

クロマグロは主に3種類に分類することができ、IUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト(絶滅のおそれのある世界の野生生物のリスト)」では、太平洋クロマグロが「絶滅危惧種」、タイセイヨウクロマグロが「絶滅危惧IB」、ミナミマグロが「深刻な絶滅の危機」に指定されている。それらの数は減少の一途をたどっており、どれも絶滅の危機にさらされている。

統計によると、1961年に16万トンあった太平洋クロマグロ(親魚)の資源量は、2014 年は約1万7千トンに落ち込んでいる。そのため、現在捕獲されているクロマグロの多くは親魚になる前の小型魚だ。

世界自然保護基金(WWF)の関係者は取材に対して、「クロマグロが絶滅危機に瀕している主な原因は、日本での需要が高いため乱獲されているためだ」と指摘する。

寿司や刺身で最高のネタとされるクロマグロは、大きいほど高値で取引される。「絶滅危機」という警告があっても、日本での需要を抑えるには至っていない。捕獲すれば儲かるため、日本の漁師は大量のクロマグロを捕獲しており、その量は、日本が世界的な話し合いで合意した漁獲枠の基準値を超えている。

腹を満たすためだけに乱獲

昨年12月、あるメディアが長崎と三重で漁獲規制をすり抜けてマグロが水揚げされている状況を報道した。日本の水産庁は2月3日、岩手、宮城、千葉、静岡、熊本など8県でマグロの違反操業や漁獲量を把握していない事例が見つかったと発表した。

2014年、三重大学生物資源学部の勝川俊雄准教授が、NHKの番組で、日本のクロマグロの乱獲について、▽親魚になる前の小型魚が乱獲されており、捕獲されているクロマグロを見ると、ほとんどが1歳以下の幼魚で、クロマグロは3歳にならないと産卵できない▽産卵期のマグロを狙った「巻き網漁」の水揚げが多い▽日本では漁獲量の規制がほとんどない-という3つを挙げた。

米国の禁漁非営利非政府組織ピュー・チャリタブル・トラストが最近発表したマグロの保護に関する報告によると、クロマグロの漁獲による減少率は持続可能な比率の最大3倍になっている。

クジラやマグロは絶滅危機種に指定されているにもかかわらず、日本は「食文化」を口実に大量捕獲を続けている。勝川准教授は、「世界でクロマグロの捕獲数が最も多いのは日本。それをよく食しているのも日本。クロマグロの個体回復のカギは日本が握っている」と指摘している。

前出WWFの関係者は、「日本の漁師の多くが規定に反してクロマグロを捕獲している。その他の場所で規定に反して捕獲されたクロマグロの多くも日本の市場に流れている。その原因は、日本政府が有効なモニタリングや管理、監督の制度をきちんと構築していないから」と指摘している。

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