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日本人のファッション文化と心理(一)
  ·   2017-02-04  ·  ソース:
タグ: 日本人;ファッション;中日交流
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日本人というと、多くの人々は、セーラー服を着た女子高生や、古着のシャツを着て黒いソフトハットをかぶった男性、毛糸の帽子をかぶり、ゆったりした無地のスカートを履き、厚底の靴を履いた女性といったイメージを思い浮かべることだろう。(文:遼寧大学哲学公共管理学院・金香花准教授。文匯報掲載)

現代人にとってのファッションとは、すでに体を温めるという役割を超え、自分のアイデンティティーのシンボルとなっている。社会文化現象として、ファッションは人類の隠された一種の言語であり、無意識によるある種の集団における表現であり、自分自身の思想の延長、生活を送る上でのスタイルだといえる。

日本のファッション文化の中で、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは日本の制服だろう。全員が同じ服を着ることのメリットは何かと問われたら、日本ではファッションはアイデンティティーの基礎であるだけでなく、集団精神や仲間意識を育む保護フィルムのような役割があり、考える必要のない面倒な事から守ってくれるものだといえる。制服というシンボルは自意識を見えない形で洗脳するものであり、異なる集団を巧みに区別し、集団を際立たせ、集団にいる一人一人にそれぞれの役割や集団意識を与えるのだ。理想の職業や優秀な学校のシンボルとなっている制服を身につけることで、集団の一員になれるという優越感を感じることができ、他者から羨望や憧れの眼差しを向けられる。制服はこのような視覚的統一性の中に心理的な同一意識を内在している。その一方で、制服の欠点としては個性を自由に表現できないことが挙げられる。この欠点に対しては、自分の制服が他者と区別されることで得られる優越感によって、心理的なバランスを取っている。他の国では制服による他者との「区別」はあまり好まれないようだ。軍隊や警察など極めて高いアイデンティティーが求められる職業以外で同じ服装を身に着けることはほとんどみられない。どの国であろうと、交通警察や看護師は普段着で働くことは許されない。なぜなら、このような仕事は決まった制服を着ることで自分の職業の役割を相手に示す必要があるからだ。

学校における制服は経済的な条件があまり良好とは言えず、流行のファッションに興味の無い子供にとってはいいことだと言えるだろう。同様に日本の全ての小・中学校の昼食は学校統一の給食を提供することで、毎日の弁当を学生たちが比べ合うといった問題を効果的に解消してくれる。また、学校の制服には、学生たちに規律を守る意識を芽生えさせようとする国の明確な要求が込められている。自由奔放な子供だったとしても、制服を着ることで、定められた規律をしっかりと守ろうと多少なりとも意識するようになるからだ。日本の「七五三」という伝統行事では、子供は着物を着て、両親と一緒に神社に行き、平穏無事で健康に成長できるように祈願する。ある日本人の母親は「3歳の娘に着物を着せたら、娘はとても大人しくなり、自分の表情や姿勢にまで気をつけるようになった」とその経験を語ってくれた。このことは、礼服ないし制服の発明が人類の文明において、画期的な意義を持つことを示している。礼服や制服はその人の礼儀正しい一面を引き出す効果があるといえる。

制服は実際に、重要な道徳的役割を備えている。制服を着ることにより、社会においての身分を示し、社会人としての意識を芽生えさせるほか、自分の社会的地位を明らかにし、見えない形で公私をはっきり区別し、その職業への自覚を持つことが求められる。日本人のサービス意識は世界一流レベルのものだといえる。日本で店員が自分に対して行き過ぎるほど礼儀正しいからといって、その人が自分に好意があると思ってはいけない。それはその人の仕事だからであって、そこに私的な感情は一切なく、顧客に対しては誠心誠意のサービスを提供するというのは日本人の「仕事はしっかりと意識を持ってやる」という考えに基づいている。これもまた、自由なファッションを追求する国と、全ての職業において厳しい制服の要求がある人の仕事の態度に対する意識の高さの違いを表している。

良し悪しは別として、現代人はファッションの機能性を厳密に区別しており、これは少なくとも経済状況が良いことを前提としている。日本ではスニーカーを履き、登山服を着て出勤する人は絶対にいない。ほとんど全ての日本の学校には更衣室があるため、体育の授業があるときも朝から体操着を着て登校する必要がない。日本の学会において、中国人はかなりの高い確率で見分けることができる。それはその醸し出す雰囲気からではなく、彼らの服装が日本人に比べカジュアルなためだ。入学式や会議、面接などの場面で、日本人は常に2つボタンのダークスーツにスラックス、もしくはスカートという服装にかっちりしてシンプルな黒い革製のカバンという組み合わせとなる。

スーツは西洋人発明したものだが、今では東洋人の方が着る人が多いというのは何とも不思議な現象だといえるだろう。実は、ファッションと国の経済力にはほとんど関係がない。2012年のあるサンプリング調査によると、西欧諸国でスーツを着る人の割合はあまり高くなく、その割合が高いのはやはりアジアで、インドがトップだったという。中国では服装は比較的自由で、正装して仕事をする人はあまりいない。チャイナドレスを着るのはレストランなどの入り口に立つ案内係で、結婚式以外でスーツを着てネクタイを締めるのは保険会社などの営業や、不動産の仲介会社に勤めている人くらいだ。中国・日本・韓国の3ヶ国を比較してみると、ランチタイムには韓国の光華門(クァンファムン)、日本の六本木や秋葉原はスーツ姿の人で埋め尽くされるが、中国ではスーツ姿は全く見られず、コットンパンツやジーンズを穿いた人が全体の半数を占めている。日本人の友人から教わった女子学生に関する面白い判断方法によると、街中で制服を着ている女性のスカートが短かければ短いほど、学年が上であることを表しており、彼女たちは自分でスカートを短くしているという。制服のスカートは女子学生の特権であり、もし社会人の女性が自分のスタイルを強調するミニスカートを穿いたとしたら、とても礼儀知らずの行為となってしまう。中国人女性の服装の自由度はとても高く、二線・三線都市の女性の服装はほとんど年齢にとらわれていない。日本では大学生、会社員、専業主婦にかかわらず、着ている服装を見れば、彼らがどんな仕事や身分なのかを簡単に推測でき、どんなグループに属しているのか一目でわかる。身分にふさわしい服を着るというのは、ひょっとするとそういう意味なのかもしれない。(編集YK)

「人民網日本語版」2017年2月4日

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