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日本のノーベル賞ラッシュはいつまで続くか
  ·   2015-12-18  ·  ソース:人民網
タグ: 日本;ノーベル賞;中日交流
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今年のノーベル賞の授賞式では、生理学・医学賞を受賞した中国の科学者・屠呦呦氏に注目が集まった。同授賞式では、日本からの2人の科学者がそれぞれ生理学・医学賞、物理学賞を受賞した。日本国籍時の研究成果で受賞した元日本国籍の受賞者を含めると、これまでに日本人24人がノーベル賞を受賞している。特に、ここ十数年は日本人の受賞ラッシュが続いているが、その理由は何なのだろう?今後も、この勢いが続くのだろうか?人民網が報じた。

日本ではこれまでに、自然・科学の分野で21人がノーベル賞を受賞した。米国、英国、ドイツ、フランスに続いて、世界で5番目に多い数だ。2000年以降だけを見ると、その数は米国に次ぐ世界2位となっている。

では、日本はなぜここ十年、ノーベル賞の「豊作期」を迎えているのだろう?実際には、日本人が2000年以降に受賞したノーベル賞の研究成果の論文は、主に1960-80年代に書かれたもので、この時期に「種まき」が行われたと言える。当時、日本の経済は急速な発展を見せ、特に「バブル」の時代は、日本の政府や企業には十分に資金があった。当時、元々科学技術を重視していた日本は多額の経費を科学研究に費やした。これにより、日本は欧米の模倣をする必要はなくなり、自国が得意とする研究分野を拡大することができた。

日本の自然・科学の分野のノーベル賞受賞者のほとんどは、日本の名門国立大学卒業者で、その研究成果のほとんどが国立大学や公的な研究機関で収められている。それら大学や研究機関の科学研究経費のほとんどは政府が負担している。ここから分かるのは、日本政府が、ノーベル賞受賞を大きくサポートしているということだ。  多額の経費が科学研究につぎ込まれただけでなく、日本の学術界にもよい空気が流れ、研究者らも研究に集中することができた。これも、近年、日本人のノーベル賞受賞が相次いでいる理由だ。在日中国科学技術者聯盟の楊克儉会長は取材に対して、「日本社会の雰囲気からすると、社会全体が学問や学者に敬意を持っている。日本の子供の夢からもそのことが分かる。多くの日本の子供が大きくなったら科学者になりたいと思っており、『ノーベル賞が夢』と語る子供も少なくない。つまり、日本社会において学者は高い地位にある上、ノーベル賞に対するあこがれも強い」と分析する。

楊会長によると、日本は科学研究プロジェクトの管理体制が整っており、組織も研究者個人も、長い目を持って科学研究に携わっている。利益優先の企業でさえも、目の前にある利益だけに目を向けるのではなく、研究、開発を重視し、長期にわたって研究開発や人材育成に資金を投じる。楊会長は、「日本人は、まじめできっちりしており、細かい所にまで注意を払うことで知られる。この性格が科学研究、特に自然科学の分野の研究に有利に働く。これも、日本人が社会学の分野ではあまりノーベル賞を受賞していない理由の一つ」と分析する。  今後、日本人のノーベル賞受賞が続く可能性について、楊会長は、「日本は科学研究の分野で、資金や人材を多くつぎ込んでおり、技術も高いため、今後10年も、日本人のノーベル賞受賞が続く可能性がある」と予想している。

一方、日本の研究者のノーベル賞受賞ラッシュについて、日本国内では、一喜一憂するのではなく、「タガを締めなおす」ムードが高まっている。NHKの番組でも、「日本が現在受賞しているノーベル賞は、実際には数十年前の研究成果。現在の研究環境が良いことを示しているわけではなく、将来に目を向けなければならない。今、浮かれているべきではない」とのコメントが上がった。

日本の経済ジャーナリスト・町田徹氏は日本のメディアで、「10年後には、また1999年以前のように受賞ペースが落ちかねない」とし、その理由について、「背景にあるのは、日本の経済力の低下」と指摘する。経済発展が、日本人のノーベル賞受賞の主な理由で、日本経済は失われた20年を経験した。そのため、政府に科学研究費に費やす資金を大幅に増やす力はなく、日本の研究者の論文発表数も減少傾向にある。そのため、今後、ノーベル賞受賞のペースが落ちると予測している。

さらに、公的な教育・研究機関の雇用体制にも変化が生じており、終身雇用や長期雇用が前提でなくなり、数年単位に雇用期間を区切ったポストが増えている。そのため、短期間で大きな成果をあげることが難しくなっている。町田氏は、経済発展が科学研究の発展を促進するという法則に基づけば、「研究開発の分野でも中国がこれから大きな飛躍を見せるかもしれない」との見方を示している。

「人民網日本語版」2015年12月18日

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