山東省東営市東営区牛荘鎮何家村の村民の喬明洲さんの家を訪ねると、きれいに掃除された家の庭に置かれた新エネルギー自動車1台と電動三輪車1台が目を引いた。喬さんは、「電動三輪車には屋根がないので、風が強い日や雨の日には、孫の学校への送り迎えをどうしようかと気をもんでいた。自動車消費政策のおかげで、新エネ自動車を買えば補助金をもらえるので、鎮の店で1台買うことにした」と話した。

産業が盛んになってサイフが膨らんでいることも、喬さんの新エネ車購入に弾みを付けた。牛荘鎮は農業が盛んな鎮で、野菜や果物の栽培面積が拡大を続け、現地の農民の平均可処分所得は年間2万4千元（1元は約17.8円）を超えた。

「サイフが膨らんで、家にあるものもグレードアップしていった」と話しながら喬さんは家の中のものをあれこれ見せてくれた。インバーターエアコンや全自動洗濯機などの家電は何でもそろっている。喬さんは「今年は室内に『大物』も加わった。超静音で除菌機能付きさ」と言いながら、リビングにある円筒形の床置きエアコンを指さした。

さまざまな好材料が農家の「買い物かご」をますますレベルアップさせている。鄭州大学商学院経済学部の沈瓊学部長は、「農業を強くし農業に恩恵を与える政策が実施されて、農家たちの質の高い暮らしがさらにレベルアップした」と指摘。何家村を回ると、自動車がほぼ各世帯の「標準装備」になっていた。喬さんも、「新エネ車がますます増えて、うちの村では充電ポールの設置が急ピッチで進められている」と話した。

国家統計局が発表したデータでは、今年1-10月には、中国農村の消費財小売総額は前年同期比14.4％増の4兆7533億元に達した。10月は同5.6％増で、都市部の消費財小売総額の増加率を0.8ポイント上回った。現在、経済の持続的で安定した回復、安定さの中での好転に伴って、農村市場は消費が活発、ニーズも旺盛で、経済成長を牽引する役割がより一層突出している。

第14次五カ年計画と2035年までの長期目標綱要は、「都市部と農村部の消費ネットワークの融合を進め、ECの農村におけるカバー範囲を拡大し、県域の消費環境を改善し、農村消費の段階的なレベルアップを推進する」ことを提起した。農村消費を拡大し、県・郷の消費の質向上と規模拡大を推進することは、農村振興の全面的推進で取り組むべき内容というだけでなく、発展のアンバランスさや不十分さという問題を解決するための重要なプロセスでもあり、共同富裕の実現を推進するための客観的要求であり、国内の大きな循環をスムーズにし、新たな発展構造の構築を加速する上で重要な意義をもつ。

中国には県レベルの行政単位が2800ヶ所あまり、郷レベルの行政単位が3万8千ヶ所あまりあり、県郷を合わせた人口は相当な数になる。ここ数年、中国農村の社会消費財小売総額、農村の個人平均消費支出、農村のネット小売額はいずれも急成長を保ち、自動車、家電、デジタル製品、化粧品などの買い替え需要、サービス型消費は今後の成長の可能性が大きい。

現在、農村市場には大きな改善・レベルアップの可能性がある。一部の農村では商業施設が未発達、取り扱う商品の種類が少ない、サービスが相対的に遅れているなどの問題があり、農村の個人消費のレベルが向上するのを制約している。農村の地域が広く、農家の生活範囲が相対的に分散しており、「ラストワンマイル」の問題が突出している。イノベーションとサービススタイルの整備、消費活力の活性化の加速、農村市場の拡大とレベルアップの更なる推進を必要としている。

農村市場はブルーオーシャンであり、巨大なポテンシャルを秘めた消費分野だ。インフラが改善を続け、質の高い供給がますます増加し、人々の消費が絶えずレベルアップするのに伴って、農村市場の活力を持続的にかき立て、経済の持続的で健全な発展により強い原動力を注入することが必ずできると確信する。（編集KS）

「人民網日本語版」2021年12月20日